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autolink N2/W25-009 カード名:久しぶりの再会 フェイト カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:2500 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《クローン》? 【起】集中[①]あなたは自分の山札から4枚をめくり、控え室に置く。それらのカードのクライマックス1枚につき、そのターン中、このカードのパワーを+1000し、ソウルを+1。 なのは…! レアリティ:U illust.ミヤスリサ 13/04/16 今日のカード。 ついに登場した、なのはのネオスタンダード構築において初の「レベル0」かつ「1コスト4枚集中」。 ネオスタンダードに於ける既存の集中は、2コスト要求されたり1/0の為に色が縛られたりと少々使いづらい面が有った為、このカードの存在は大きい。 また、名前にフェイト?を含んでいる為、使い魔アルフのパンプを受けて高パワーでアタックしたり、教育係リニスの効果のコストにできたりする。 地味にありがたい恩恵である。
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☆暗号を書きこもう!!☆ 題名の通り自分の考えた暗号を書き込むものです。 みなさん、自分で考えた暗号を書き込んでください -- 管理者 (2012-08-26 14 26 37) 名前 コメント
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再び動く戦況に 三つの人影が所狭しと駆け抜ける 相変わらずの凄まじい戦いは一見、先ほどと変わらない様相を呈していた だが、、 「ち、ぃ!」 今、明らかに槍兵の表情に余裕が無くなっている 頭上に落ちる紫電の太刀を寸の見切りで横に流そうとするが その両脇に打ち込まれるフォトンランサー 軸移動を封じられ、まともに受ける羽目になった烈火の将の最強奥義 ギリリ、と歯を食い縛る男―― 両足が膝下まで地面にめり込む その両の足を、これまた執拗に狙うフェイトの魔法射撃 「よいしょっとぉ!!」 全身のバネで埋まった両足を引っこ抜き アスファルトを撒き散らしながら豪快に跳躍するランサー そこに打ち落とされるフェイトの斬戟も、先ほどまでとは明らかに勢いが違う! (気づいたか……やっぱり子供騙しは通用しねえな) ド単純なトリックだ 今時こんなので煙に巻けるのは少年兵くらいだろう 流石は自分が見込んだ敵だけの事はある 相当の手錬れなのは今更言うまでも無い いつまでも騙し通せるはずがないのだ 先に記した、連携であるが故に生じる隙は 互いの技量を心の底から信じる者同士において その信頼の度合いが大きければ大きいほど、小さい 男のやった事はすなわち1+1を2にさせないという事 多数を相手にする時の基本だ だがそれに対して心の通じ合ったベストパートナーは 1+1を5にも10にもしてくる ―――それは小細工など入り込む余地のない黄金の連携 要は互いの覚悟と信頼が連携を完璧なものへと近づける要因になるという事だ 聞くほどに基本的なことなのだが――それを実行に移せる者は意外なほど少ない やはりこの二人のように数年、数十年と心を通じ合った者同士でないと至れぬ境地である がっぷり四つにて激しく激突するシグナムとランサー 下から切り上げようとする将の二の腕を蹴り付け、後方に飛翔する 後ろに目がついているのかと疑うほどに正確なタイミングで 旋回して背中を向けたフェイトに今一度襲い掛かる蒼き死神 「おぉりゃっ!!!」 飛ぶ鳥を堕とす獣の咆哮と共に繰り出される渾身の一刺しが フェイトの背中――脊椎を貫き通そうと唸りを上げて迫るが、 瞬間、、 「ソニックムーブ」 黒衣の背中を隠す白いマントまでが 一瞬でランサーの視界から掻き消えた 目を見張る槍兵 刹那とはいえ、この最速の英霊のお株を奪う爆発的な速度で ロケット砲の様な男の突きを見事透かすフェイト 「野郎………誘いか!」 サーヴァントは確かに4、50mの高度を一瞬で潰す跳躍力を持つ それは時に空を駆ける猛禽すら一撃で仕留める凄まじさであろう だが、、、、やはり、当然の事ながら―― ――― まともにやれば、羽を持つ相手に空で適うはずがない ――― ことに飛び上がって放った一撃を外してしまった時は最悪だ 中空へと舞い踊るその肢体――エアハイクが終わるまで数秒 しかしてそれはコンマの位を奪い合う戦場において気の遠くなるほどに長い時間であった 「くそ………俺としたことが、みっともねえ…!」 フェイトもシグナムも、もはや相棒が凶刃に狙われようとちょっとやそっとでは崩れない 敵に倒されても構わないと、そういうつもりで戦っている? 否――違う いかに敵が強かろうと、その凶刃に狙われようと 相棒がそう簡単に堕ちる事はないと思い直し、再認識したに過ぎない そうなればもはや彼女らには微塵の隙もない それどころか、こうしてこちらの隙を狙い打つ余裕すらある そして今の自分はまるで餌に釣られた魚だった 無様に晒した横っ腹―― 飛来する猛禽の爪を、牙をただ黙って貰い続けるサービスタイムの始まりだ! 「「ブレイクッッ!!」」 共にデバイスに全開魔力を叩き込んだ炎と稲妻 その中心に位置する蒼いサーヴァントに刻み込むようなクロスラインを描く 「が、ぐっっ、、」 何度も何度も、対象が地に落ちるまで何度も描く ギィン、! ギィン、!という炸裂音が間断なく響き渡り その度に槍兵の肉体が弾け、飛び、のけぞり 中空で、きりもみしながら地面に向かって堕ちていき―― 受身も取れずにコンクリの地面に盛大に落下した! 「ぐ、は―――」 何かが潰れる鈍い音と共に叩きつけられた肉体 影すら踏ませぬを信条とするこの英霊が 瞬く間にボロ雑巾のような肢体を晒していたのだった 「ぐ、がああああぁぁあッッ!!」 地に伏せるを断固拒否するその肉体が咆哮と共に跳ね起きる 一瞬たりとも背中を泥に塗れさすなど男のプライドが許さない しかして受けた傷から大量の血飛沫が吹き出して、、足元をぐらつかせてその場に佇む槍の魔人 地を這う獣が空を舞う鳥に空中戦を仕掛けた報い―― 「こ、りゃ……次からは迂闊に跳べねえな、ぁ――」 負傷した側頭部からどろりと流れる赤い液体 それを拭おうともせずに槍兵は 大地に突き立つ槍を抜き放ち、、憤然と構える (………戦果は?) (クリーンヒットは左大腿と脇腹、背中 受身を取れずに右肩から落下したようです) 本来ならばこれで決まりだろう どう考えても動けない負傷を与えた筈だが―― (まだやるつもりらしいな……丈夫な男だ) (見習いたいものです) 共にこの槍兵の凄まじさを体感した騎士と魔道士である これで終わりとは到底思えなかったし、ここで気を緩めるような事もない 引き続き、周囲を旋回し、揺さぶりを続けるフェイト 可能ならばまた上空に打ち上げて――今度こそ止めを刺す算段だ ここまで来たらもはやノイズはない 冷徹に着実に詰めていくだけだ 「流石にきついか…」 大口を叩いたが、敵は予想以上にやるようだ 千の軍勢、過酷な退却戦などあらゆる絶望的な戦場に身を置いてきた彼をして そのどれよりも厳しい手応えに武者震いを禁じえない 仕方が無い…… もともと味方などいない戦いだ 一対ニのこの状況は仕方が無い…… しかしながら両者とも刃を交え、その技量を測り 何とかやれるだろうと踏んだ見積もりを遥かに超えてくる相手の連携 先も記したようにベストパートナー同士の連携は1+1=2ではない 単純な数字で測れるものではない事くらい、男にも分かっている だが敢えて大きな計算違いを指摘するならば これほどの連携の精度は彼の生きた時代では常識的にあり得ないという事 それは科学的、論理的に突き詰め あらゆる計器を元に叩き出したデータによって構築され それに沿って修練を積んできた完璧なるコンビネーション 神話の時代にはこれほどの精度の連携は望むべくも無い 実際の数値に裏付けされた理想の挙動 これは近代に至るまで進化を重ねたニンゲンの業――研鑽を積んだ戦技の結晶なのだ 「何の、まだまだ……これくらいで丁度良い!」 無事なはずが無い 軽装がゆえに最速である彼、最速たらんと軽装である彼は 即ち一発の被弾も許さぬ彼岸の域に自己を置く事によってその身のこなしを手に入れた それがこうして敵の攻撃を受けた以上、ただで済むわけがない 男が未だ、口元に笑みを浮かべながらに構えるが 莫大な損傷を負った事は傍から見ても明らかだった 「………」 その槍に蛇のように巻きつく鉄の鞭はレヴァンティンのシュランゲフォルム 刃を合わす事すら至難だった真紅の魔槍をこうも容易く捕らえられる やはり明らかに効いているのだ 「………自業自得もいいところだぞ」 武器を奪おうと、それをさせじと互いに渾身を以って引き合う両者だったが まるで無表情に淡白に呟くシグナム 苦渋に満ちた、どこか男を責めるような思いは決して外に出さない むざむざ自分から窮地に落ち込んだ愚か者を淡々と仕留めるだけの作業だ 騎士同士の決着としては下の下の部類に入るが、、それもまた致し方なし 「………戻れ!」 相手をこちらに引き付けておいて 再び刀剣に姿を変えたデバイスを持って彼女は突進 その足元おぼつかぬ相手に容赦なく叩きつける 「いいんだよ……これでいい」 その打ち込んでくる剣士に 後方からこちらを牽制する魔道士を相手にしながら 男はこの期に及んで獰猛な笑いを崩さない 彼にとっては劣勢すらも愛すべき戦の一つであるのか、、? いや、違う……決してそれだけではない 男は英霊 此度のようにこの魂がニンゲンの呼びかけに応じ 奇跡として顕現し怪異の前に立たされる事も一回や二回ではない(本人に記憶を引き継ぐ事は出来ないが) だが現世のニンゲンの御業で英霊を完璧に召還する事は出来ない そこには確実に生前の自分とは異なる―― 酷い時になると全くの別物としか言えない器が用意されているのだ そうした中で彼が一番初めにする事は決まっていた それは自分が生前と比べて何が出来て何が出来ないか、今の自分の器を量る事だ 練磨――器と意識の軸合わせ いわば性能テストのようなもの フレームは? エンジンは? トルクは? 武装は? その正確な数値を実際に一つ一つ試す事が 男の愉しみであり、また試運転を兼ねたオーバーホールであった 確か……今回は酷かった あの糞神父に下らない制約をつけられ 全力で戦える機会など与えられなかった オーバーレブ付近でリミッターがかかり、失速するこの身を何度歯痒く思った事か いっそこのまま自刃してやろうかと思い至ったくらいだ それが今、劣勢に立たされているとはいえ――こんなに切れているのは何時以来だろう? たとえあのセイバーやバーサーカーが相手でも微塵も負ける気がしないほどに今の自分は充実していた もっと試したい――! もっと強大な力をぶつけて欲しい――! 痛みなど感じなかった 栄えある戦いに身を投じられた歓喜の前では あらゆる苦痛が快楽へと変わっていく しかし――― (そろそろ―――潮時かもな) 敵は思った以上に強かった これ以上、槌を叩きつけられてはいかに丈夫な剣とて折れる もっともっと愉しみたいが、残念ながらこちらが持ちそうもない さて、どうするか―― 悲しいかな、意中の相手は空の猛禽 やはり地を駆ける者とは決定的には交わらない もっともっと戦り合っていたかったが、、交わらない以上 この先は簡単な図式の勝負になってしまうだろう 「仕方ねえ――これで負けたら、いくら何でもマヌケ過ぎるからな…」 打ち込まれた刃の痛みを燃料に変えて クランの猛犬がその覚悟を決める ―――だんだんに読めてきた、敵の動き そう、彼とてあんな子供騙しの策頼りで無謀な戦いを挑んだわけではない むしろあれは敵を十分に観察するに足る時を稼ぐ、その程度の役割を果たせればよかったのだ 今の今まで何も考えずに猛攻を受けていたわけではない 相手が精巧なデータや発達した計器で戦術を練るのなら こちらは卓越した感覚、刻み込まれた相手の刃によって敵を測る 旗色が悪くなってはいるが、ことここに至るまでが彼の戦の全てを形成する要因だった そして今、槍兵の目にはやはり勝利しか映っていない ―――槍を片手に持ち変えるランサー 左手を前方に、指を立てて添える その様はまるで狙撃手が相手に定める照準のようだった 狙いはただ一つ 相手の空中での軌道、 恐らくは何千と訓練を重ねてきたのだろう そのリズムは正確で一糸乱れぬ見事なものだった ――― だからこそ、読みやすい ――― その炎と雷が交わり重なるポイントは確実にいくつかある その対角線上、、 二人が交わった時、、 同一軸線上にその身を置いた瞬間―― 「狙い撃ちだ―――心躍るじゃねえか…… 久しぶりに心底、熱くなってきたぜぇ!」 男の言を受け、真紅の槍は三度吼える 今やその二敵を射抜く確率は針の穴を通すほどしかないが それを通すのが面白いのだ 見せ損なったその牙を クランの猛犬の切り札を 再び轟の一文字を以って起動させる (構えが……変わった?) 男と熾烈な剣戟を重ねてきた将が今 槍兵の佇まいの変化に険しい目を向けていた (シグナム……) (ああ、気をつけろ) フェイトも気づく――相手の体重移動、シフトの変化に 常に前傾でこちらの距離を潰そうとしてきた男が 今はサイドステップを含んだ歩法でフェイトの射撃を往なし シグナムと切り結ぶ事も避けて距離を測っている 何かを狙っている――明らかに 敵の持つ槍から発する殺気 それは本能に訴えてくるレベルの危険、、恐怖 この強力な敵が満を持して抜き放つ真剣―― どれほどの脅威を含んだ代物なのか、想像も出来ない だが、、 (何の――こちらとて止めの図式は見えている…!) 相手の切り札を待つ気も出させる気もない 勝負において敵の切り札など切らせないに越したことはない こちらにはその筋のエキスパートがいる―― 相手が少しでもタメの長い挙動などを見せたら その行動ごと斬って落とす最速の魔道士が! 「その」瞬間――― クイックシフトで前衛とサポートが入れ替わりフェイトが前衛になる そして彼女が最速の踏み込みで相手の技を潰して斬り抜ける 後方支援に終始していたフェイトの突然のチャージに対応できる者はいない 何か大きな仕掛けを取る瞬間なら尚更だ 敵は目にも止まらぬ雷光の凄まじさを今一度知ることになるだろう そして――切り札はこの手に、、 今、剣の騎士のもう一つのカード 隠し持っていた「隼の爪」を解放する準備を終える将 抜き放てば……一撃だ 敵がどれほど強力な耐久力を秘めていても耐えられるはずがない 共に激しい動きにて相手を牽制し、その機会を待つ両雄 地を蹴る音 空を裂く音だけが場に響き 静寂とは程遠いというのに――場の空気が静まり返っていく それはサーヴァントかライトニングか どちらが先に必殺の牙を叩き込むかに息を呑む 場の空気の緊張の高まりに他ならない 今が勝負をかける時 双方がその思考に達した今―― 決着の刻を遅らせるクロノスの神など、もはや無力な長物である その戦場が終局を迎えようとする最中、、 後はどちらかの躯が場に横たわるのみ そんな未来の姿を幻視させる 今まさに全ての決着がつく、その時―― ――― 三者が予想だにせぬ ――― 世界を覆う紅き鮮血の帳と共に――――― 異変は起こった ―――――― 足を掬われた――という表現が一番しっくりくるのだろう 「ソレ」に一番初めに犯されたのがフェイトだった 流星の尾のように金色の魔力を引きながら彼女は クラウチングスタートからのダッシュを敢行し、敵に斬り込んでいくはずだった その発射直後――― まるで何かにつまづいたようにフェイトは空中でつんのめってバランスを崩し 黒衣の肢体が急激に制御を失い、ランサーへの軌道を大きく外れて、地面に勢い良く墜落したのだ 「な、、なにっ…!?」 彼女の後方、フェイトに次いで 槍の男に切り札を打ち込むはずだったシグナムが声を詰まらせる 失敗………!? あのフェイトテスタロッサハラオウンがスタートをミスった? 馬鹿な――!? 初めは目の前で起こった光景が理解できずに上げた驚愕 しかしその異変はすぐに、この女剣士の身体をも侵食する 「……、は、、! な、んっ!?」 突如、足に重りを付けられた鳥のように ゆっくりと空より堕ちゆく体 「何……こ、これは……?」 フェイトもまた地面に堕ちた体勢のまま両手を付き、周囲を見渡す 奇襲を失敗したのもさる事ながら、その突然の異変に焦燥を隠せない ―― それは血の様な一面の赤に彩られたセカイ ―― 重くヤスリのように絡み付いてくる毒々しい空気 その血のようなアカに触れているだけで、まるで肌を焼かれるような感覚に襲われる (………AMFか!?) その重苦しい感覚に二人は覚えがあった 魔道士殺し――― アンチ・マギリンク・フィールド (通称A・M・F) 先のJS事件にて猛威を振るった スカリエッティサイドの使用した特殊フィールドである リンカーコアを出力に変える時空管理局局員の文字通り天敵となった装置 魔力を減退させて打ち消す狂気の兵器だった それを張られた状態では魔力総量、魔力運用、魔力効率全てが減退し 魔力によって全ての行動を担う者にとっては致命的な状況を作り出す ニアSランククラスになればその凄まじい出力によって、中でも力任せに行動する事は可能だ しかし、もしそのフィールド内で自分と同等かより強い敵と出会ってしまった場合……言うまでも無いだろう ―――詰み、である (計られたか……?) 今更、という感は強いが彼らがジェイルスカリエッティの送り込んだ刺客ならば当然在りえる展開だ とはいえ、何故今になって――? これを張るのなら初めからそうしておけばよいというのに だが、しかしてそれは大いなる勘違い 二人もすぐに誤りだと理解する――否、させられる 「こ、これは……違う!?」 フェイトが寒さに震えるように両肩を抱きしめて言う 急激に荒くなる息―― 内蔵が迫り出すような感覚―― この体に掛かる負荷 それは、AMFなどより遥かに…! 「何だ……!? これは魔力を減退するどころか…」 ――― 吸い取られている? ――― まるで全身から搾り出されるように 今、己が魔力が強制的に外に放出してしまっているのだ すぐに眼前の敵を睨み据える騎士と魔道士 疑うべくも無い この異界を施した張本人は間違いなく、目の前にいる二人の敵に他ならないのだから 「――――、」 だが男は今の相手の致命的な隙を突くどころか 構えを解き、二人と同様に呆と虚空を見上げている 今の現象が己が与り知らぬものだと証明するかのように 「あの野郎……………俺ごとか」 低く唸るような声で、彼は空を―― 否、自身の頭上にある木々の闇を見据える 「ライダーッ!!!!」 そして男は叫んだ 怒気を含んだ声を張り上げて その視線の先―― 木々の間に、腰まで伸びる長髪をなびかせて彼女は枝に立っていた この女怪こそかの異変の仕掛け人――サーヴァントライダ 「おや? ランサー……いたのですか?」 「空気の読めねえ馬鹿女が 舐めた真似をしてくれる――」 これは……囮作戦!? 片方が残って敵の気を引き片方が囲う ライトニングのお株を奪う見事な連携――コンビプレイ…!? これならばランサーが無理をしてまで一人で残った理由が全て説明がつく まんまとしてやられたというしか言葉が出てこない …………もっとも普通に逃げ遅れている槍の男の、怒り心頭のあの態度 囮の同意を得ていたのかは激しく疑問だが―― フェイトとて森の中からいつライダーが仕掛けてきても良いようにあらゆる防衛網を張っていた だが、流石に味方ごと犠牲にする投網を放たれてはどうしようもない 警戒もクソも無い あのサーヴァントが10の分を刻むほどの時間を費やして行ったこの現象は もはや間合いとか隙とかが介入するレベルにはなく、 敵はこの戦場全体を己が胎内へと変貌させ―― フィールドそのものを飲み込んでしまったのである ―――――― 空間を覆う紅い空気が視力すら遮ってくる まるで人の住めぬ熱砂の惑星の中にいるかのようだ いや、、地面までが不気味に躍動しのたうつような感覚は いわば生物の胃の中と言った方が近い 満を持してライダーが切り出してきた これぞ彼女の切り札――他者封印 鮮血神殿・ブラッドフォート・アンドロメダ――― かつてギリシャ神話において 人々を震え上がらせた悪神の住処を現世に蘇らせる彼女の結界型宝具 耐性のない並の人間がここへ落とし込まれた場合、ものの数十分と持たずに衰弱し、体を溶解させられてしまう 生物の生息出来ぬ毒の沼、酸の海、いわば邪悪なる人喰いの封絶結界 「下品な棲家だ……お前にゃ相応しいがな しかし10分やそこらでポンと出せる代物だったか? コレ」 「―――、」 ランサーがうんざりしながら問うた質問は むしろそれに関して一番驚いているのがライダー本人であった 正確には10分そこそこではなく シグナムの剣から逃れた際に些細な違和感を抱いた時から森を駆けずり回りつつ用意したものである それでも、これほどの規模を持つ大呪法だ 神話に記される懐かしき我が住処を顕現させるほどの大呪法 これは言うなれば異界の召還である 当然、それを現世で行うには膨大な魔力と何より「地盤」が必要であった 現在のヒトが住まう土地の基盤は 彼女らが存在していた頃に比べ、魔的な要素が見る影もないほどに薄い 今を生きる人々が神秘を忘れ、営みを起こして久しく穢された大地たち 精霊、地霊、幻想種―― あらゆる神秘的な要因を排他し遠ざけてしまった現代という荒んだ時代 だから……かつて冬木の地でライダーがこの結界を張るには大掛かりな下準備が必要だった 家を建てる時、基盤となる土壌にコンクリートを流し込んで下地を作るように 土地の根幹に自身の魔力をふんだんに送り込み 寝かせて、地ならしをするところから始めなければならなかった だというのに、、 ライダーがこの地に身を溶け込ませて改めて驚愕したのがそれ 下地が――初めから整っているのだ… 信じられない事だった この大地は神話の時代のそれと比べて遜色の無いほどのマナとオドに満ちている どこかで見たような風景が垣間見える世界でありながら これは昨日まで自分が立っていた聖杯戦争の地とはまるで別物であったのだ 何という舞台―――まるであつらえたかのような、、 いわば伝説の存在である自分たちが何不自由なく戦うために形成されたバトルフィールドのような、、 嬉しい誤算であった そこに追求の念を抱くのは後で良い 木の枝に悠然と立っていたライダーがふわりと、三人の立つ地面に優雅に降り立つ 「……ライダー」 重き重圧に苛まれながら 新たな警戒と共に彼女に向き立つフェイトとシグナム そして怒気の孕んだランサーの視線もどこ吹く風の騎兵 彼女がゆっくりと、金髪の魔道士に向かって歩を進めようとした 「下がれテスタロッサ!」 フェイトを庇い手に前を遮るシグナム そして、その前に更に動く影が一つ 敵であるはずの男の真紅の魔槍が 悠然と歩くライダーの首筋に突きつけられる 「貴様―――俺の戦の邪魔をしたな? 笑えねえぜ………三度も宝具をしくったのは流石に初めてだ そんなに死にてえかライダー」 「フ、――まさに宝具詐欺ですね しかし先に好きにやらせてもらうと言ったはずですが? 下賎な歩兵に気を使ってやる義理など私にはありません」 「――――――ほう、」 槍が危険な光を灯して女の喉に突き立つ その穂先を片手で掴み、捻り挙げようとする騎兵の右手 唖然としつつも成り行きを見据える女剣士と魔道士を前に サーヴァントニ隊は互いに狂おしいほどの殺気を放ち、その場で力比べを始めるサーヴァント二体 「よく言った――ならば貴様が先に死ね」 両者の足が地面に亀裂を作る ランサーの二の腕、ライダーの手の甲に浮かぶ青筋が その凄まじい膂力のかかりようを現している 「神殿の中で私に勝てるとでも? お望みならば貴方を先に引き裂いてしまっても良いのですよ?」 「たわけ――この程度の結界でサーヴァントを縛れるとでも思っているのか」 ギィ、と口元を吊り上げて嗤う狂犬 人を食らう赤熱の大気など何するものぞと気勢を放つ蒼き肢体が この汚らわしい胎内を、その創造主諸共に食い破ろうと猛り狂う 「なるほど………さすがは三騎士 他人の家に招かれて行儀の悪い事この上ない ならば私も―――それなりの持て成しをせねばなりません」 「………? な、貴様っ!?」 槍兵が、、あのランサーが 互角の睨み合いをしていたとは思えぬほどに―― 今までのふてぶてしい態度からは想像もつかぬほどに血相を変えた 敵に対し押し切るのみだった槍を、男は始めて引き その場から飛び退ぼうとする だが得物の穂先を彼女に握られて動けない この恐れ知らずの戦場の魔犬が―― 今、明らかに騎兵を前に焦燥していたのだ ならば彼の前に立つ女こそそれに見合う脅威でなければならず それに足るものの開放こそ―――真の地獄の始まり 「―――――ブレイカー」 子を安らかな眠りへと誘うような歌姫の如き声で 謳い上げるはその真名 決して急く事なく、優雅な仕草で 彼女は目に装着した眼帯に手をかける 「ぐ、!」 息を飲む男 ただならぬ気配を感じるライトニングの二人も彼らの間に咄嗟に介入する事が出来ない そして全てが――― 「――― ゴルゴーン ―――」 ――― 凍 り つ く 、、、 「「「!!!??」」」 三者の声にもならぬ声が場に揃い しかしそれが世界にカタチになる事はなく―― 先ほどのランサーと同じく沸き立つ力の解放に喜び勇む騎兵のサーヴァント その相貌―― ついに美しき魔性の全貌を現した女怪の笑み以外に、、 その場の空気を震わせるモノは残っていなかった ―――――― 止まる、、トマル、、全てが静止する――― 後ろで成り行きを見守りつつ、いつでも動けるように身構えていた二人の四肢が 心臓が、呼吸が、、止まって動かず、 カチカチで、莫迦みたい――― 「――――フェイト」 そしてその静止した紅いセカイで一人 行動の自由を許された化生の女が誘うような声で囁く 「森での続きをしましょう 何……苦しいのは最初だけ もう決して―――逃がさない」 静かでそれでいてぞっとするような声は この瞬間、全ての者の生殺与奪を握る絶対者の響きを以って 場にいる三者の耳に響く
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PC名称 愛称:フェイト 称号:特に無し 種族:ナイトメア 年齢:20歳? 性別:女 穢れ値:1 外見:淡い青髪。蒼眼。額に2本の角がある。異貌時には白髪・紅眼になる 【キャラクターシート:RP編】 名前:フェイト(Fate) 種族:ナイトメア 年齢:20歳前後? 性別:女 穢れ値:1 【経歴】 (A 2-3) 育ての親に拾われた (C 4-5) 濡れ衣を着せられたことがある (A 1-2) 命を救われたことがある 【プロフィール】(初期) 赤子の頃、シーン信仰の神殿に捨てられていたナイトメア。 出自を隠したまま、神殿で育てられる。 ナイトメアであることで嫌な思いもしたけれど、 その一方で助けてくれる人もいたことが、彼女の心を人族側に引き止めている。 ある時、ナイトメアである自分の存在が大々的に露見してしまったので、 教会に迷惑をかけないため、故郷を出て冒険者となった。 失敗する日もあるけど、仲間もできて、何だかんだで楽しそうにしている今日この頃。 正義感が強く、慈悲深い。蛮族に対しても寛容。 割り切るところは割り切るけれど、命乞いされると非情になりきれない。 タビットやコボルドをもふもふするのが好き。 【プロフィール2】(4月8日追記) ダメな方向に完全覚醒したフェイト。 わがままで、いたずらっこ。その上、ヘンタイである。 抑圧されていた反動かもしれない。 よく仲間にちょっかいを出しては、返り討ちにあうが、 それさえも悦んでいるから始末に終えない。 ある意味、グラランよりも質(たち)が悪い存在。 意外に強さへの欲求が強く、毎日の鍛錬は欠かさない。 それはかつての無力さ故か。届かぬ理想のためか。あるいは燃えぬ脂肪のためか。 「Σ太ってませんよ!?・・・・少ししか///;」 【外見】 淡い青髪。蒼眼。額に2本の角がある。 異貌時には角が伸び、白髪・紅眼に変化する。 …いわゆる攻撃色。フォースか魔力撃が飛んでくるので注意。 装着者の動きを阻害しないイスカイア鎧を愛用しており、 服装も肩とか、腋とか、臍とか、大腿部を露出するものを好む。 どこも露出していないと、排熱がうまくいかず死んでしまうと本人談。嘘臭い。 身長160ちょっと。体重は50周辺で悪戦苦闘している。 不老の肉体も、体型の維持はサポート対象外だったらしい。 スリーサイズは92・58・85と本人は主張するが、 胸の絶壁が、その主張を裏切っていた。残念。 オプションで黒い翼や、悪魔の羽が生えていることがある。 もうナイトメアの角が、どうでもいいくらいに不思議生物。 …いつか尻尾も生えるかもしれない。 これまでの軌跡 ■シナリオ『家畜を狩るもの』にて 犯人を助けようとしたばかりに、神官の自分が倒され、 仲間全体を危険に晒したばかりか、犯人を取り逃がしてしまう。 【カルーラ】【トライ】【シトリー】に借りができる。 NPC全員生存ルート。かろうじて依頼達成。 特殊報酬なし。仲間にその分を自分の報酬から補填。 現実の厳しさを知ると同時に、理想を貫けるだけの強さを欲する。 ■その後のフェイト 以前と比べて、計算高く、ちょっと腹黒くなった。 みんなを守るため、誰かを助けるためなら、割と手段を選ばない。 …別にPLの人格が侵食したわけではない。成長である。 ■シナリオ『通せんぼ』にて 【ドレッド】に落とし穴に落ちたことや、 引き上げるとき重かったことなどをからかわれて、魔力撃で殴りかかる。 しかし絡み武器でグルグル巻きにされて返り討ちに。 その後、模擬戦部屋で正式にバトル。 【ジェリド】と【カティア】を巻き込んでの2on2。 (フェイ&ジェリ) VS (ドレ&カティ) 辛くも淫獣ドレッドを撃退するε- (´ー`*)フッ ■PC【ドレッド】(ライカンスロープ) 緊縛フェチ、淫獣、女の敵、喧嘩相手 別に嫌っているわけではない。 ヘンタイかもしれないが仲間として信頼している。 出会い頭にバニッシュ撃たれても、それはきっと親愛の表現である。たぶん。 ■PC【アウグスト】 アウラちゃんとして知り合う。うさ耳メイドとして認識。 その後、本当の性別を打ち明けられる。 うさ耳ナースの男の娘として認識を改める。萌え要素が増えた。 料理が得意で、コスプレが趣味らしい。 ■最近のフェイト 以前より欲望に忠実になった。やや危険人物かもしれない。 おそらくナイトメアの自分を受け入れてくれる鈴の鱗亭の影響だろう。 喧嘩できる友達もできて、敬語を使わず、自分を出していけるようになった。 …別にPLが自重しなくなったわけではない。たぶん。 ■PC【スパナ】 ワカメ。 ■『イベント参加者募集』にて 「堕天使ナース★フェイトちゃん登場!夜の看護をしてア・ゲ・ル♪」 ナース服を着て参戦。参加者とブラックジャックする。 優勝者エックスさんに、脱ぎたて下着を贈呈しようとしたところ爆破される。 ■PC【トライ・アル】 バイクのパーツ。 もはや昔のクールな面影はない。 身体を張ったギャグに定評のある芸人である。 ■PC【スパナ】追記 かっこいいワカメ。 ■フェイト/トライVSフィデリオ/アウグスト 私の大活躍により、華麗に勝利・・・っと(かきかき ■剣士 ヘビーメイスを売って、バスタードソードを購入した。 とある小説に感銘を受けて、剣に憧れたらしい。 SAO7巻・発売中! ■フェイトVSアウグスト 誰しもフェイトが負けると思っていた勝負。 しかし捨て身カウンターにより相打ちに持ち込む。 ■模擬戦の後の出来事 【気持ちの整理ができるまで非公開】 ■PC【ティス】 チャイナ服。 太もものベルトがナイスチラリズム。 ■ワカメ観察日記 魔剣を台座ごと引っこ抜く。 …胸キュンである。しかもこのまま使うらしい。 台座剣シャルロットと命名。しかしワカメには重くて持てなかった。 …胸キュンである。 【フェイトの日記帳】(※軌跡の書式が変わっただけ ■模擬戦(フェイト・エルザVSカルーラ・フィデリオ)[2011/04/12] 勝負には勝ったけど、先輩のエネジャで撃墜されたのが悔しいところ。 エルザさんの猛攻を、ブリンクで捌きつつ反撃していた先輩は流石だと思った。 一対一でもいい勝負になっていたんじゃないだろうか、あの人。 模擬戦後の飲み会で、先輩と観戦していたナタリーさんにお説教される。 カルーラさんのテイルスイングに捨て身カウンターしようとした事について、 神官なら生き残ることを優先しろと何とか延々と・・・うぅ、そんなこと分かってるもん; でも、カルーラ御姉様に成長したとこ見せたかったんだよぅ>△<; ■アウグスト引退[2011/04/12] 帰ってきたら鈴宿はボロボロ。犯人のフィデリオ先輩は留置所行き。 そしてアウグは、最後まで私の前に姿を現さなかった。 ■????????[2011/04/12] ???? ?????????? ■フィデリオ、単機でイエティを撃破(模擬戦)[2011/04/13] 留置所から出たと思ったら、何してるんですか先輩!?o( 口 ;)o ■模擬戦(フェイトVSドル)[2011/04/14] 魔法矢弾幕の前に敗退。威力もさることながら命中も高い。 切り札のブラインドさえ唱える間もなく、回復の上から削り倒された。 悔しいけど完敗><; 回避が課題かな~と思いつつも、 どうせ避けれないなら、自分は他を伸ばすべきだとも思う。 敵の長所の部分で勝負するのは愚策。私にしか出来ない戦い方を探そう。 ■戦闘特技変更「頑強Ⅱ」→「武器習熟:辛み」(※誤字[2011/04/15] 21 04 (j_the_a) これは認められない…>< 21 05 (G_shine_) 辛みw 21 05 (G_shine_) どんな武器になることやら(’’>辛み 21 05 (Etc) カラシたっぷり 21 05 (esuesu_) 大根…。 21 11 (uhiro) …大根でもふりまわしながらたたかうのか… 【ログより抜粋】 …危ないところでした。 自分にしか出来ない戦い方を探求して、 なぜかダイコンにその境地を見出してしまうところでした(’’; ちなみに【辛み武器】を探求し続けた結果、 最終的に行き着いたのは【辛味大根】という京都の伝統野菜でした。 水分が非常に少なくて、おろしてもサラサラしています。 その為、ソバつゆが薄まらなくて、薬味にピッタリですよ。 【辛味大根】 基本取引価格 :300G 知名度 :12 形状 :カブのような丸みを帯びたダイコン 装備可能部位 :武器 製作時期 :現代(産地直送) 概要 : 辛味の強いダイコン、肉質は緻密で水分が少ない。 お蕎麦にはもちろん最高の薬味として使うことが出来る。 京都府北区鷹ヶ峰(たかがみね)で、元禄時代から栽培されている。 カテゴリ:辛み武器 ランク:A 1H/必筋1/r1@12/打撃 『ランク効果』ワサビとは違った独特の味と刺激で、舌を楽しませてくれる。 ■新たな力[2011/04/16] 魔力撃強化によって大幅に命中率が上昇。 これで私の戦士技能の低さを、補うことができる。 そして新たに扱い方を学んだ、絡み武器たち。 非力な私が優位に戦うための切り札になってくれるだろう。 …この発想を得たのが、あの淫獣(ドレッド)の戦術から だということが自分的に納得しがたいけど; ■VSワカメ[2011/04/16] 負けた(´;ω;`)ウッ… あのワカメ、いつもヘタレなくせに、 私との勝負になるとクリクリ回しやがって~!(ノ≧ロ)ノ しかも捨て身カウンターで相打ちと思ったら、 6ゾロで立ってると、どういうことだワカメー!!。゜( д )゜。 今夜のお味噌汁の具にしてやるー!!ヽ(`Д´)ノ ■シナリオ『フェイト/ステイワカメ~ある恋の赤い糸~』にて[2011/04/16] あの手この手で告白させようとしてくる恐ろしいダンジョンだった。 何より恐ろしいのは、私の変態属性をキャンセルするするほどの甘い空気。 完全にGMの思惑に翻弄される回であった。…これなんて羞恥プレイ。 ワカメとの関係は特に進展なし。 未だに、胸中の想いは秘めたまま。伝える気も薄かったり。 『ドキドキ度・・・30%』 ■シナリオ『囚われし魔剣』にて[2011/04/17] エルザさん、リュシアンさん、ステイシーさんと、いつもは違う面々との遺跡探索。 土下座するリュシアンさんと、フリーダムなステイシーさんを制御するエルザさんマジぱないです。 そして飼い主と犬みたいなエルザ×リュシアン主従関係に(*´Д`)/ヽァ/ヽァ ■雷光の魔剣≪カラドボルグ≫[2011/04/17] シナリオ『囚われし魔剣』にて入手。 3本の鎖で封印されていた雷光の魔剣。使用者の意志に応じて、その姿を変えるという。 具体的にはAランクの妖精武器(雷)になる。一度設定すると変更はできない。 フェイトが手にしたことによって、『ドレインネット』の姿をとった。 …魔剣なのに投網。というかダメージロールさえ無い。魔剣涙目。 ■シナリオ『フェイト/ステイワカメ②~愛を突く魔剣~』にて[2011/04/20] …知ってるよ。 貴方が空気読まずにバカなこと言うのは、 みんなの空気を和ませるため… 調子に乗ったふりして、自ら危険に突っ込むのは、 みんなに危険が及ばないようにするため… どんな状況でも自信過剰に振舞うのは、 挫けそうになるみんなを勇気付けるため… …知ってるよ。 いつも道化のふりして、 誰よりもみんなを守ってくれている…貴方のことを。 ■シナリオ『うさみみドレイクの受難その2』にて[2011/04/22] 民俗学者アルバさんの護衛。 バルバロスの顎に、知り合いのドレイクに会いに行くらしい。 報酬10000G。(*´Д`)/ヽァ/ヽァ まさかのアウグストとの再会。 勝手に宿を出て行ったアウグに一発かましてやろうと、 ネット絡めてギタギタに踏んでやったら、いつの間にかトライさんになってた。 身代わりの術だと!?(; ・`д・´)…ゴクリ…(`・д´・ ;) アルバさんが悪の組織のボスの「教授」だった。 たしかプロ・・・プロ・・・フードプロセッサー? 粗めのパン粉つくるのとか上手そうである。 アルバさんの黒光りする剣がアウグのおなかを突き上げて、 アウグが意識を失うほどに乱れちゃって大変だった。 …おや?日記を書いているだけなのに涎が…(じゅるり/// アウグスト復活。 最初から普通に剣抜けばよかったんじゃ…( ; 緊急用にカンパして購入したエンジェルリング代1000Gは、 いつかアウグから徴収してやろう。 アウグ去る。 …べつにいーじゃん、宿に戻ってくればさぁ。 ここにいれば、みんなが守ってくれるだろうし、 私だってアウグのこと…いちおー、心配してるんだかね!; ■力の意味は?[2011/04/22] 最近カテリナさんによく怒られる。 私が力をもつ意味・・・かぁ。 ずっと自分は無力だって思ってた。 強くならないと何も救えないって思ってた。 だから強くなることを目指した。 だけど・・・。いつの間にか『弱い自分』を言い訳に、 何も助けられるわけが無いと、そう言い訳していなかっただろうか。 カテリナさんは、自分の力をどう思っているのだろう…。 その力で、何を成そうとしているのだろう…。 ■雪山でイエティ撃破[2011/04/23] まずは先輩の軌跡を追ってみる。 盲目にして腕を絡めて、FEXPで吹っ飛ばした。 あっけない程、簡単に勝ってしまったことに驚く。 …私って強かったっけ?; ■ブラッドレイン山のキマイラ撃破(2巻のサンプルシナリオ)[2011/04/24] ストーンサーヴァント2体のオマケ付き。 FEXPで取り巻きごと殲滅。 あとは獅子頭を残すのみというところで、なぜかワカメが乱入。 山中の遺跡になぜ海草が生えたしΣ(´Α`;) 追い返すのも何なので、加勢してもらったけど、なんか納得いかないまま勝利。 キマイラと台詞の応酬までやって雰囲気出してたのに~; ■シナリオ『うっかりドレイクの憂鬱』にて[2011/04/26] フィデリオ先輩の過去シナリオ。 依頼内容はリンザ村の防衛。 昔、記憶喪失の先輩を助けたメリッサさんと会ってきた。 ライムさんに頼んで撮ってもらった先輩の写真、村長さんとメリッサさん喜んでたなぁ。 ※フェイトにネットで拘束されたフィデリオの写真。 ※ちなみに、フェルナンドに見せたところ哀れまれた。 ※ガヤルドさん曰く、ライム&フェイトは『バルバロス貴種足る者として触れてはならん連中』らしい。 23 25 (Gall) 「……一つだけ、元同胞として言って置こう。」>フェルナンド 23 25 (GMeino) フェルナンド「……なんだ」 23 26 (Gall) 「あいつも、貴様も、バルバロス貴種足る者として触れてはならん連中に触れた。……できれば、私も距離を取りたかった。」 23 26 (Fate_) 「失礼な!?Σ(´□`;)」 23 27 (GMeino) フェルナンド「…………つまり……なるほど、そういうことか」ギャグ要員連中を見て 23 27 (Lime) 「早くやるっすよ」とシャドーボクシング中 23 27 (Lime) エアタイトアーマーきながらw 23 27 (Doru) (どういうことなの・・・) 23 27 (Asurisu) 「だね。同じバルバロスとして同情するよ・・」 23 28 (Elsa) 「まあ、もう手遅れだろうけどね」 『黒翼の流星』フェルナンド(ドレイクバイカウント)率いる1000の軍勢から、 リンザ村を守り抜くことに成功。PT称号『流星を墜とす者』を獲得。 この戦いの影で、使い手不明の吹雪の魔法が何度も目撃されている。 本人は認めようとしないが、フィデリオ先輩に違いない。 まったく、結局来るなら一緒に来ればよかったのに・・・あのツンデレめ。 今回のオチ:ライムさんが女の子だった。 フンドシと口調から、ずっと男の子だと思ってたよ相棒(;・∀・) ■異形の刻印(※異形の面相当)[2011/04/27] 持っている数々のマジックアイテムを専用化して定価売りして、強引に入手! 名誉点が250点も消えたけど、後悔は無い! 女神のヴェールまで売っちゃって、神官として大丈夫かとも思うけど、後悔は無い! 買っちゃったー♪買っちゃったー♪異形の面買っちゃったー♪ 試行錯誤したけど、形状は刺青にした。もう刺青というか触手になってるけど気にしない。 取り外し可能で、性能が同じなら大丈夫だろう・・・たぶん。 ちなみに別案として眼帯もあった。 むふふ♪これで常時HPとMPが回復することができる。 戦闘中だと1Rの回復量は微々たるものだけど、 探索とか10分もしてたら、HPは300、MPは120回復する計算になる。 ブラボー!これで無意味にチックチックで羽生やしても怒られないぞー♪ ■ロック鳥狩り[2011/04/30] チーム土下座と和菓子の材料『神豆』を取りにいく。 土下座さんが馬を担いで、移動しているのが印象的だった。 ■私が死ぬ前の日[2011/04/30] 恥力30のシリアスブレイク発動。 雑談をCC、および模擬戦場に2段階移行させる程度の能力。 フェイト下克上開始。 ガルさん鞭と鎖に悩む。 ナタリーさんを鞭で縛って押し倒す。 トライさんに焼きそばもらう。 エリーザさんにフルボッコされる。 ジェリドお説教タイム。竜篭版の先輩。 クーさんと月の下で。 鈴宿でフィデ先輩にヤンデレる。 巨乳のヘディ現る。 ■私が死ぬ前の日の終わり[2011/04/30] 06 00 (eino) フィデリオ「お前も……朝から何をやってるんだ……!」フェイトのほっぺたぎりぎりぎりぎり 06 00 (Fate) フェイト「いはい、いはいれす~~~;;;;」 06 00 (Toro) ヘディ「…」にこにこしながらフィデリオとフェイトちゃんのやり取りを見てるよw 06 01 (Toro) ヘディ「…いいところだな、ここは」お店を眺めてしみじみ 06 02 (higunyan) レイン「この状況のどこをどう見ればそうなる。そこの残念ウサミミ」 06 02 (Fate) フェイト「せんぱい、だめです・・・・そんなにはげしくしちゃ・・・・あぁ・・・・・っ///!?」 06 03 (Toro) ヘディ「そうか?考えても見ろ、ちょっと前まで人族と蛮…じゃないな、バルバロスがこうやってじゃれあうなど考えられなかったではないか」>レイン 06 03 (eino) フェイトのほっぺたは限界を超えてびろーんとなった! 06 03 (higunyan) レイン「それは確かにそうだな。SNEも変わった事を考える」 06 04 (eino) メメタァ 06 06 (Toro) ヘディ「初めて来た私にはこの景色はなかなか得難いものに映るなw」>レイン 06 07 (eino) フィデリオ「……まあ、それもそうだな」>ヘディ 06 08 (higunyan) レイン「そうか?」ほとんど蛮族と化してる奴 06 08 (Fate) フェイト「・・・・・♪」あえて何も言わない ■私が死んだ日①~フェイト死亡~[2011/05/01] 00 46 (GM_lyu) 毒々しい蠍の尻尾が 00 46 (Fate) あ、死んだ; 00 46 (GM_lyu) フェイトに致命の一撃を振り下ろす 00 46 (GM_lyu) 2d+17 00 46 (GM_lyu) [DICE] GM_lyu 2D6[5,4]9+17 = 26 00 46 (Fate) #18+17 00 46 (GM_lyu) [DICE] Fate 18+17=35 00 47 (Fidelio) あ…… 00 47 (Fidelio) 「………………あ」 00 47 (Fate) 2d+9+3-35 00 47 (GM_lyu) [DICE] Fate 2D6[3,2]5+9+3-35 = -18 00 48 (GM_lyu) その鋭い針は、フェイトを串刺しにした 00 49 (GM_lyu) ターン終了 00 49 (GM_lyu) PCターン 00 49 (GM_lyu) まるで冗談のようにあっけなく、フェイトの身体は落とされた 00 49 (Fate) 「ああァああぁっぁぁあっぁああああ嗚呼アあああああっ!!?」 00 49 (Fidelio) こわいわwww 00 49 (GM_lyu) 断末魔の悲鳴も 00 50 (GM_lyu) その尾から全身に回る痺れ毒により 00 50 (GM_lyu) やがて小さくなる・・・ 00 50 (Fidelio) 「…………すまない。フィーアさん。エスケープで脱出するしかなくなった……」 00 51 (Fate) 「死にたくないっ!!?死にたくないよぉ!?!?しにたく・・・・っ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 00 51 (GM_lyu) フィーア「・・・わかりました」プレコグ。数拡大エスケープ 00 52 (GM_lyu) フィーアの唱える呪文で、フェイトのしたいと共に君達は瞬時に遺跡を脱出した ■私が死んだ日②~死の恐怖~[2011/05/02] 一日のおさらい。 依頼人が神殿からちょろまかしてきた地図の遺跡探索。 獅子の身体と蝙蝠の翼、それにサソリの尾をもった幻獣が3体。 道中のザコだし、楽勝だと思ったんだ。 でも私は、吹雪が大量に押し寄せてきて10秒ともたずに気絶した。 次に目が覚めたのは、激痛の中だった。 あぁ、これも10秒以内の出来事か。本当に死ぬときって一瞬だなぁ>< でも、もう少し耐えよーよ、私(;´∀`) 強くなったと思ってたんだけどなぁ。 また負けちゃったよ。 くやしいなぁ。 まさか死ぬとは思わなかったけど・・・>w<; でも死んだとはいっても蘇らせてもらったし。 穢れが増えたことも、もとから穢れ持ちだったし別に~♪(* - *) お財布が軽くなったけど、それもまた一仕事すれば。。。 …そ、っか・・・また戦うのか・・・私。 手が震える。 抉られたおなかが収縮する。 記憶は無いはずなのに、恐怖だけは残ってる。 心は覚えていなくても、身体は覚えている。 自分の断末魔の叫びが、耳に残っている。 意識を失うことも許されない激痛の中で、 サソリの尾に、身体を貫かれる感触を・・・。 巨大な甲殻の棘が、わたしの中を抉り、蹂躙していく異物感を・・・。 痛いよ・・・ …こわいよぉ 死にたくない、死にたくないよぉ・・・ッ ■私が死んだ日③~おっぱい祭り~[2011/05/02] 【全ての始まり】 02 27 (yachi) フェイト「ほうほう、ではガルさん。胸は大きいほうが好みですか?小さいほうが好みですか?」 02 29 (amono) ガヤルド「…………考えた事が無かった。保留として置く。」 【おっぱい祭り開催】 02 32 (Toro) ヘディ「で、私の胸がどうかしたのか?」ゆさっ>フェイト 02 33 (higunyan) エリーゼ「大きくてもいいことはないですよ」たゆん 02 34 (yachi) フェイト「くそー!こいつらみんな豊かな資源を保有しおってー!!」ヽ(`Д´)ノウワァァァン!! 02 34 (uhiro) クーリッタ「…まったく、もてるものは余裕があっていいな…まったく」 02 35 (eino) フィデリオは目のやり場に困ってそっぽ向いていよう…… 【明かされる豊胸の秘密】 02 40 (Toro) ヘディ「…ひそひそ 好きな男に揉まれると…その…なんだ…大きくなるとか知り合いがな… ///」顔赤くして 02 42 (yachi) フェイト「ガルさん!好きです!胸揉んでください!!」o( 口 ;)o 02 43 (amono) ガヤルド「…………すまんが何一つ理解できん。フィデリオにしてもらえ。」 ちょっと眉間おさえたw 【そして混沌は深まる】 02 45 (yachi) フェイト「ん?ほうほう・・・反応は近いですね・・・・」アホ毛ぴこーん、ぴこーん 02 45 (eino) コソコソ逃げよう隠密判定 2d6+11 02 45 (eino) [DICE] eino コソコソ逃げよう隠密判定 2D6[6,6]12+11 = 23(6ゾロ) 02 45 (uhiro) 本気で逃げたw 02 45 (yachi) 本気だ!?w 【真のひんぬー現る】 02 48 (Gs_PL) ナタリー「胸など気にしてはなりません、気にするということは負けを認めるということですから」 02 49 (higunyan) エリーゼ「ひんぬーのナタリー様が言うと説得力ありますね」ブチッブチブチッ 02 49 (yachi) フェイト「ナタリーさん・・・・貴方だけは私の味方です・・・・!」抱きっ!!&ちっぱいもみもみ 02 50 (Gs_PL) 「この左手が振り下ろされないうちに離れていただけるることを願います」 02 50 (yachi) フェイト「イエスマム!!」ささー;;;; ※戦力比較 ヘディ>エリーゼ>>(圧倒的な戦力差)>>クーリッタ≒フェイト>>ナタリー 【フィデリオの豊胸魔力】 02 55 (yachi) フェイト「分かってますけど、10%でも効果が出るのなら揉んで欲しいのですー」。・゜・(ノД`)・゜・。 02 56 (amono) ガヤルド「……フィデリオの方が効果は高いだろう。奴なら魔術師としての力量が高いからな。」 02 56 (eino) なにその無茶振り!?wwwwwwwwwwwwwwwwwww 02 56 (yachi) フェイト「なるほど・・・たしかに先輩の魔力をもってすればC・・・いや、Dなど・・・・!!」 02 57 (eino) ならねえよ!?wwwwwwwwwwww 02 57 (higunyan) フィデリオ逃げてー! 03 04 (eino) [DICE] eino まあ、その頃。自室に戻ったフィデリオは大空に向かってフライアウェイするよ……フライト行使 2D6[1,1]2+17 = 19(1ゾロ) 03 04 (higunyan) あ、墜落した 03 04 (Toro) 落ちた 03 04 (eino) やっぱり振った……どすん 03 04 (Gs_PL) w 03 04 (uhiro) あw 【真・おっぱい祭り】 02 58 (uhiro) クーリッタ「……いいなぁ、わたしもこんくらいあったら…」(しょげながらへディの胸をもぎゅもぎゅ 02 59 (yachi) フェイト「ですよね・・・・」(おなじくもぎゅもぎゅ 02 59 (Toro) ヘディ「…ってお前らは何をやってるんだ」 02 59 (higunyan) エリーゼ「どれどれ」(釣られてヘディの胸をもぎゅもぎゅもぎゅもぎゅぎゅぎゅぎゅ 02 59 (Toro) ヘディ「…楽しいか?」ジト目で 02 59 (uhiro) クーリッタ「やわらくてきもちい……」ついでにエリーゼの胸ももぎゅもぎゅしとくぞひさしぶりに 03 00 (higunyan) エリーゼ「私のは天然物ではないですけどね」 03 00 (yachi) フェイト「エリーゼさんはエリーゼさんで、またしっとりとした感触が・・・」もぎゅもぎゅ 03 00 (Gs_PL) ナタリー「……」何だろう、このカオス空間(’’ 【逆襲のおっぱい】 03 06 (Toro) ヘディ「まさか散々人の胸を好き勝手に弄っておいて自分は大丈夫などと思ってないよな?」>フェイト 03 07 (uhiro) クーリッタ「…ここにいる全員で攻撃するか…蛮族がわのスパイかもしれんぞ」 03 07 (yachi) 「う・・・///;」 03 07 (Toro) ヘディ「ほれほーれ…ほう、なんだ、小ぶりなだけでなかなか…」後ろからさわさわ 03 07 (higunyan) エリーゼ「ふむ。程よくあるじゃないですか」もみもみもみもみ 03 08 (yachi) フェイト「わぅ!?///ちょ・・・・ふたりともぉ!?///;;;;」 03 08 (Toro) ヘディ「ちゃんと柔らかいではないか」さすさす 03 09 (yachi) フェイト「だ、だれか!?ツッコミ担当ー!!たすけてえええーーーー;;;;;;」 03 09 (eino) 本当に、フィデリオがこの場にいなくてよかった…・・・ 03 09 (higunyan) エリーゼ「これだけあれば十分じゃないですか」もみもみさわさわむにゅむにゅ 03 10 (yachi) フェイト「増えたしー!?;;;」。゜( д )゜。 03 10 (amono) ガヤルド「…………。」 気にせず読書。と言うかフェイトの行動の方だってあんま止めて無いから公平だと思えw 03 10 (Toro) ヘディ「…これだけあれば十分だと思うぞ?」フェイトの耳元でぽそっと 03 11 (yachi) 「ひゃぅぅ・・・・っ///;;;」 03 11 (uhiro) クーリッタ「…まぁ、揉み得ってのもあるしなついでにもんどくか…私よりあるからいいじゃないか」フェイトの胸もぎゅもぎゅ 03 11 (higunyan) エリーゼ「そうですね。それに大きくないほうが感度もいいと聞きます」むにゅむにゅぷにゅぷにゅ 03 12 (eino) ジェリド「こんばn…………おじゃましました」(がちゃ、ばたん) 03 12 (yachi) フェイト「だめですよぉ!?そんなに揉まれたら私・・・・ひゃぅぅ!?//////;;;;」 03 12 (Toro) ヘディ「だから…な、フェイトは十分魅力的だ、わかるだろう?」耳に息を吹き掛けながら 03 12 (uhiro) クーリッタ「…ふむ…ここらへんがいいのかな…」フェイトの胸の立ってるぶぶんをつん 03 13 (yachi) 「ジェリドさああああんん!?助けてーーー!?;;;;;」 03 13 (eino) 既にダッシュ(全力移動)で逃走しました 【私の死んだ日:エピローグ】 その後、みんなで変な紅茶を淹れたりして遊んでたけど、私はこのへんでダウン。 宴は更なるヒートアップを見せて、竜が出てきたり、宿が破壊されたりしたらしいけど、私は知らない。 こうして私の死んだ日は、騒がしくもあたたかい喧騒に包まれながら幕を閉じる。 きっとこれからも、何も変わらない賑やかな日々が続くのだろう。 【おまけ】 04 41 (eino) フィデリオ「………………………………」(ぽっかりとあいた大穴を呆然と見ながら) 04 41 (amono) それとも何かね?人が落下して建物を突き破って着地するような事が、起こると言うのかね?(キリッ) 04 41 (amono) ガヤルド:私にギャグ補正など無い。 04 41 (eino) まあ、もう何もいうまいwwww 【セッション履歴】 ■セッション1 『急募:王子様』 GM:南仔 参加者:バルドル(ラウム)、ヴァン(kasuga)、カティア(シャイン)、レスネーム(河瀬) 経験点:1160 報酬:5378 名誉点:5 成長:知力 コネクション:“キラキラ王子”ガリア・ドーラ(顔見知り:5) ■セッション2 『遺跡へGOセカンド』 GM:RON_AG 参加者:エレーヌ(シャイン)、ゲストでリリー(RON_AG) 経験点:1190 報酬:2200 名誉:19 成長:器用 ■GMB1『森の中で』 経験点:1350+50 報酬:1500 名誉点:15 成長:筋力 ■セッション3 『ゲババブザバサ、ゴゼザ・・・』 GM:XIII 参加者:ロナルド(RON_AG)、ジョージ(マルイチ)、アーフィー(トシロ) 経験点:1220+50 報酬 3195 名誉点:15 成長:知力 ■セッション4 『野良コボルトたちの行方(前編)』 GM:エシュコル 参加者:ジラさん(ピロ式)、イブンさん(いぼるー)、アミカさん(比具人)、 リルフィーさん(トシロ)、フィデリオさん(エイノ)、カティアさん(シャイン) 経験点1200 報酬1115 名誉75 成長:筋力 ■セッション5 『野良コボルド達の行方(後編)』 参加者:ジラ(ピロ式)、イブン(いぼるー)、アミカ(比具人)、 リルフィー(トシロ)、フィデリオ(エイノ)、カティア(シャイン) 経験値:1200+100 報酬:11000G 名誉:62 成長:器用 コネクション“自警団”エイル(顔見知り:5)、“自警団”イルヴァ(顔見知り:5) ■セッション6 『遺跡追跡調査してみませんか?』 参加者:ジェリド、スパナ、ティス、カルフォート 経験点1840+100 報酬2168G 名誉点55 成長:器用 ■セッション7 『家畜を狩るもの』 GM:ぽろ 参加者:カルーラ、トライ、シトリー 経験点:1430+50 報酬:3000+640-2000(カルラ)-1000(シトリ)-0(トライ)=640 名誉:34 成長:たぶん敏捷 ※詳細はWikiにて ■セッション8 『ぼくらの町内会戦争』 GM:RON_AG 経験点:1400+50 報酬:4147 名誉点:31 成長:ミリアム:器用 アカネ:生命 フェイト:生命 アーフィ:知力 レイラ:筋力 ノト:知力 ■セッション9 『手紙を届けに行こう』 GM:MH35 経験点1000 報酬8875 名誉点0 成長 デュオ:器用度 スパナ:筋力 アミカ:筋力 フェイト:敏捷度 ■セッション10 『空翔る狩人たち』 GM:いぼるー 経験点:580 報酬:1500 名誉:0 フェイト:知力 シトリー:知力 クナジア:筋力 レイラ:筋力 レーヴェ:生命 ■GMB(Lv5) 経験点:1500 報酬:5000 名誉:30 成長:知力 ■セッション11 『通せんぼ』 GM:クッキー 経験点1350 報酬7240 名誉点15 成長:器用 参加者:ジェリド、ドレッド、レーヴェ、ワカメ ■セッション12 『タートルティア』 GM:ぽろ 経験点1420 報酬7608 名誉点43 成長:敏捷 参加者:レーヴェ、ティス、ワカメ ■セッション13 『遺跡には何が居てもおかしくない』 GM:いぼるー 経験点1420+50 報酬:8300 名誉:37 成長:精神 参加者:フィデリオ、カティ、ファム、アルバート 幽冥の旅団”顔見知り/10 ■セッション14 『森で研がれる牙』 GM:13 経験点:1670+50 報酬8150 名誉点:42 ファム:筋力、フェデリオ:知力、ライム:敏捷、アルバート:生命、フェイト:知力 ■セッション15 『イベント参加者募集』 GM:つきしろ お金:1000 経験値:1000 名誉15点 成長:筋力 参加者:トライ、ステイシー、エリーゼ、クーリッタ、ジラ、トリシア ■セッション16 『希望への呪い』 GM:シャイン 経験点1210 報酬:10166 名誉:55 成長:敏捷 参加者:アル、サーヴァレット、ライム、ドル、ギア ■セッション17 『うさみみドレイクの受難』 GM:ひぐじん 経験点:1320+100 報酬:5400 名誉:なし フィデリオ、精神 スパナ、敏捷 ライム、器用 フェイト、知力 カテリナ、生命 GMB:アウグスト、筋力 ■セッション18 4/10【昼アドリブ卓】選ばれし者を待つ剣 投稿者:シャイン 経験点:1160 報酬:6000G(ワカメは4000G+魔剣?) 名誉:28 成長:知力 参加者:カテリナ、ティス、アウグ、トライ、ワカメ ■セッション19 4/10【夜突発】それはきっとありふれた話で・・・ 投稿者:いぼるー 経験点:1500+50 報酬:9100 名誉:20 リッシュ:知力 アミカ:知力 サーヴァレット:知力 フェイト:生命 ■セッション20 【4/15夜卓】バイクのパーツ【篭or両方24000-30000】 投稿者:Xiii 投稿日:2011/04/16(Sat) 01 40 No.48025 経験点:1510+100 報酬:7650 名誉点:25 クナジア:生命力 アルバート:筋力 スパナ:知力 フェイト:知力 ■セッション21 【4/16夜・フェイト/ステイワカメ卓】ある恋の赤い糸【フリ~ダム卓】 投稿者:エイノ 経験点1480+100 報酬8538G+7点魔晶石1個 名誉点93 スパナ:敏捷、カタリナ:敏捷、ティス:精神、ドレッド:生命力、トライ:筋力、フェイト:精神 ■セッション22 【4/17昼卓】囚われし魔剣【30000-40000】※経験点範囲を変更しました 投稿者:Xiii 経験点:1290 名誉点:39 報酬:13250+元から魔法の品でない任意のAランク武器(妖精の武器・雷) =ドレインネット ステイシー:敏捷度 エルザ:器用度、フェイト:生命力 リュシアン:精神力 ■セッション23 4/17【夜突発】火中の栗 投稿者:いぼるー 経験点:1420 報酬:7700 名誉39 ステイシー:知力 アミカ:敏捷 フィデリオ:精神 フェイト:器用 ■セッション24 【4/20夜・フェイト/ステイワカメ卓第2弾】愛を突く魔剣【フリーダム卓】 投稿者:エイノ 経験1570+50 報酬9859 名誉73 フェイト:知力 スパナ:器用 クロビナ:精神 トライ:器用 クーリッタ:筋力 イネス:器用 ■セッション25 4/22【キャラシナリオ】うさみみドレイクの受難その2 投稿者:比具人 経験点:1380 報酬:10590 名誉:47 フィデリオ、敏捷 トライ、生命 アイラス、生命 カテリナ、知力 フェイト、敏捷 ■セッション26 【4/25・26キャラシナリオ前後編】うっかりドレイクの憂鬱【鈴35000-45000】 投稿者:エイノ 経験点 1860 報酬 11850 名誉 138 ガヤルド:器用 アスリス:敏捷 エルザ:器用、ライム:知力 ドル:筋力 フェイト:精神 ■セッション27 【4/25・26キャラシナリオ前後編】うっかりドレイクの憂鬱【鈴35000-45000】 投稿者:エイノ 経験点 1810 報酬 10000+2250 名誉点 158 PT称号:『流星を墜とす者』(名誉点25点) 成長:知力 ■GMP3(Lv9) 経験点1800 報酬11000 名誉55 成長:器用 ■セッション28 4/28 究極の選択 35000-46000 投稿者:ぽろ 投稿日:2011/04/29(Fri) 03 01 No.48245 経験値:1900 報酬:8000+1220 名誉点:39 フェイト:精神力 アスリス:生命力 ガヤルド:敏捷 フィデ:知力 アンゴラ:筋力 ■セッション29 4/30[深遠を覗く魅惑のお菓子] 成長:エルザ 敏捷、フェイト 知力、リュシアン 敏捷、アイラス 生命、アンゴラ 知力、GM 保留 経験:1470+50 報酬:10480 名誉:58 旧支配者製菓店店主 ニャル 顔見知り 10点 ■セッション30 5/1 【夜突発】おてんば神官の遺跡見学 投稿者:いぼるー 投稿日:2011/05/02(Mon) 01 28 No.48312 経験点:500 報酬:3000 名誉:0 ガル:敏捷 ストロー:生命 フェイト:敏捷 フィデリオ:知力 プレイヤー:ヤチ 登録タグ:
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……………… 射撃。砲撃。斬撃。 ――魔導士と騎士の攻め手を悉く回避してきたサーヴァント達 だが今度は蟻の子も抜け出せぬ縦断爆撃だ… 叩き落とせる数でも間をすり抜けられる頻度でもない。 だから目の前に起こっている事実を論理的に説明出来る要素が無い。 奇跡―― そう、奇跡でも起こらねば――こんな馬鹿な事は有り得ない。 ……………… 「奇跡、ね―――」 苦虫を噛み潰したような顔をしている男。 今のは彼の目から見ても神代においてすら見劣りしない大魔術だった。 冗談抜きでキャスターのサーヴァントに匹敵する代物と言えただろう。 指摘の通り、本来ならば到底生還できるものではなかったはずだ。 だが―― 何故か生き残ってしまう―― 戦場でもよくあんな面で迎えられたっけと――― 上空にてこちらを信じられないモノを見るような顔で 呆然としている騎士と魔導士の顔を眺めて思い出す。 何故生きてると問われれば答えようがない。 生まれつき、生き汚い性分なのかも知れない。 戦いの中で死ぬは本望と言いながら――その身に宿った何かが男を生還させてしまっただけの事。 即ち、矢避けの加護―――― クーフーリンが先天的にその身に宿していた飛び道具に対する神性防御スキル。 投擲型の攻撃に対し、使い手を視界に捉えた状態であれば余程のレベルでないかぎり彼を貫く事は出来ない。 雲の上にいる魔道士が己が射撃で雲霞に穴を開けたが故に男は彼女の姿を認め 広範囲の全体攻撃に等しい射撃の雨あられを完全に殺しきれぬまでも、そのほとんどをやり過ごし 無傷の生還には程遠い有様ではあるが――ともかく未だにその場に踏み止まる槍の魔人であったのだ。 「…………あーあ――」 しかしてやり切れない男の表情。 それは絶頂寸前で冷や水を浴びせられた気分を満面に映し出す。 自信の認めた相手――シグナムの一太刀であれば間違いなく終わっていただろう。 だというのに意中の相手は既に打ち止めで、意外の相手から放たれたモノで生殺し―― こんな有様で、しかも己が意の外から拾った生存に素直に喜べるほど男は目出度くはない。 「すまんな。俺だけ生き残っちまってよ…」 そしてその後ろ手に倒れているモノを見据えてランサーはもう一度大きな溜息をついた。 それは四肢を雷槍で串刺しにされたライダーの――亡骸。 地面に伏した彼女にもはや精気はなく、生命の息吹を感じられない体を無様に地に横たえていた。 あの雷の豪雨に晒された両英雄。 だが加護を受けたこの身が逸らした矢まで一手に引き受けなければならなかった騎兵。 故に彼女に逃げ場はなく―― 結果、普通なら避けられるものまでその身に受けてしまったのだろう。 不幸な話である。 「流れ弾に当たって死ぬ奴の気持ちなんぞ一生分からんが…… まあ一応謝っとくわ。 ―――――――死んだか?」 槍の柄でごつごつとライダーの頭を小突く。 返事が無い。 ただのしかばねのようだ。 ピクリとも動かない相棒の容態を無造作に観察し―― 「そうか………じゃあ―――しょうがねえな。」 申し訳程度の黙祷を捧げる槍のサーヴァント。 結論として最後の最後まで二人は、互いの足を引っ張り合っての最期を迎える事になった。 水と油は組み合わせてはいけない――良い教訓になったというものだ。 終幕のクライマックスを迎えた者と偶然で生き延びた者の対照的な姿がそこに在る 本来ならば自分もこうなっていた筈―― だが自身の変態体質は変えようも無い。難儀な話だった。 ほどなく男は何かを受け入れるように槍を肩で担ぎ、幾度目かの溜息を漏らした。 その直後――― 「ランサぁぁぁーーーッッ!!!」 自身の立っていた地を極太の山吹色の光がなぎ払う。 その光景――恐らくこの現世で最後に見るものであろう――が 今度こそ自分の番が来たなと思い至る刹那の瞬に、その瞳に映し出される。 直後―― 「が、ぐっ――――!!」 男の肉体が爆発に爆ぜた。 その蒼い肢体がずれるように横に飛ばされて―― この戦い、初めて苦悶で顔を曇らせる槍兵。 狂獣のような叫びを上げて彼に襲い掛かったのはシグナム。 男の空前絶後の生還を呆然と見ていた彼女であったが、流石に百戦錬磨。 崩れた精神の建て直しも早かった。 残っていた予備タンクさえも開け放ち――この戦いの決着の一撃を誰よりも早く撃ち放っていたのだ。 「ぐううう、おおおおおお――ッ!」 まるで踏ん張りの利かぬ両足は既に地面を食む役割を何ら為さず 剣士の一撃を頼りの槍で何とか受けるも、今までと違いその衝撃をほとんど吸収できない。 ベキベキベキ、と身体の奥底から響く音は粉砕された肋骨か、ヒビの入った背骨か。 軋む手足が、焼かれる肉体が、神人形のように浮かされ――男の体は力なく空に投げ出される。 ―――――― ハッと我に返るフェイト。 相棒の搾り出すような魂の叫びに半ば強制的に心身を揺り動かされ、眼下に捕らえた光景。 それはついに将の火竜の尾がランサーを捕らえた場面であった。 「は……ぁ…ッ」 求めていた手応えにようやっと辿り着いたシグナム。 だがガクガクと揺れる視界に、四肢は既にほとんど用を成さない。 更に喉の奥から込み上げてくる赤の混じった液体は命の危機を報せる警鐘に他ならない。 「シグナム……!!!」 フェイトも雲を突き抜け、上空から駆け下りてくる。 嗚咽交じりの血反吐をその場で飲み込み、鬼神の形相で敵を睨む騎士。 「一人倒したぞ……あと一押しだ!!」 「はい!!!」 そうだ。フルバーストで決められなかった現実を疑うのは後でよい。 何しろ一人は――ライダーは倒したのだ。 そして埒外の生還を果たしたとはいえもはや男の方も風前の灯。 こちらが苦しい時は向こうも苦しい。 ここで膝を折っては今までの苦労が全て水泡と帰す! Last assault 8分経過 ――― もはや戦闘が出来る状態ではないにも関わらず その身ごと叩きつけるようにランサーを打ち上げた烈火の将。 ここで決めると誓った――ならば決めなくてはならない! 確固たる決意が女剣士に最後の動力を開けさせたのだ。 ならば、それに続かなくてどうする!? 大魔法の行使でフェイトももはや出涸らし状態。 にも関わらず、黒衣の魔導士が将に続いて飛来する。 紫電一閃もプラズマザンバーも、ファランクスシフトでさえ受け切った男。 だが今、騎士の何でもない一薙ぎをまともに浴びて容易く宙を飛ぶ。 その肢体はもはや押せば倒れる状態だ。 倒す……倒せる! この男をここで倒し切るッ!!! 「き、効いたぁ……」 男はそれでも最期まで歯向かおうと中空で敵に槍を向ける。 だがもはや身体が言う事を効かない。 その結果は分かりきっていた。 雷の蹂躙を無事に潜り抜けたところで、この足では――加えてライダーが倒された以上、もはや勝算は皆無。 えげつない魔術が魔力を直に削り取り、刃と雷撃は彼の肉体を犯し続ける。 これより始まるのは一方的な蹂躙――勝利の二文字は既に槍兵の手から零れ落ちたのであろうか。 「ねじ込みます!!」 「応!」 Last assault 残り一分 ――― 活動限界である10分を使い切ろうとしている―― それを過ぎればフェイトはともかくシグナムは完全に魔力切れ。 もはや指一本、動かす事は叶わなくなるだろう。 だというのに――いや、だからこそ! 言葉通りの全ての戦力をここに集結し、男に叩きつける! 返す返すも敵に力は感じない。 あと一分もあれば―――おつりがくるッ! 「サンダーレイジ!」 詰め将棋のように着実に。山火事のように疾く。 終局へと向かう戦場において紅蓮と雷光が踊り狂う。 男の足元に打ち込まれるフェイトの雷撃が槍兵を再び打ち上げる。 「はああああッッ!!!!」 目を見開き、ランサーに突っ込むフェイトの顔はまるで野生の獣のよう。 見る影も無いほどにボロボロの敵。 対する自分らも普段の面影などまるでないボロ雑巾。 「――――よう……やってくれるじゃ、ねえか。」 「!!」 一瞬、フェイトの瞳に、その肉体に制止の声がかかる。 闘争本能の赴くままに振り上げたザンバーが心内に残した理性に遮られる。 管理局局員としての責務。 何よりも……どうあっても人を殺傷したくないという優しさ。 それらが敵に止めを刺す行為を躊躇わせてしまう。 (これだけ痛めつければ……もう…) 「テスタロッサッ!!!!」 その降って沸いた甘さを寸断する騎士の声。 下唇を血が滲むほどに噛み締める魔導士。 先ほどの戦意とは違う、苦渋に満ちた表情を露にし―― (無理だ……手心を加えてどうにかなる相手じゃない…) ここで力を緩めればまだ、逆はある。 自身の心臓を握り潰すほどの決意でフェイトは葛藤を噛み砕き―― 「あ、ッ……ああああああっっ!!!!!」 巨大なザンバーを無慈悲に打ち上げた。 あれほど強かった槍兵がいとも簡単に―― 砕けたアスファルトと共に天高く舞い上がる。 「へ、――――それで、いいんだよ…」 男の呟きは彼女自身の咆哮によって掻き消され、その耳に届く事は無かった。 ただ一念――許して欲しいと… 優しき瞳に謝意を込めて魔導士は槍の戦士を見送った。 「ランサー…………もらうぞッッッッ!」 そこへシグナムが突進をかける! 浮かせてしまえばサーヴァントといえど空戦魔導士相手に為す術は無い。 そのセオリー―――ライトニングは完全にモノにしていた。 ほぼ力を残さぬ相手に空中での三連撃。 執拗という言葉では余りあるほどの完璧な詰めによって 今ここに――槍の魔人に最期の刻を突き付ける! Last assault ??? ――― ―――――― 「あーあ……」 最後の最後で、………………これだ。 ―――――― ……………え? その呟きは 戦闘時とは思えぬほどに 間の抜けた響きを以って―― 彼女の口から紡がれた。 ―――――― 、、、、、、、、、、、、、 それは遠方で一部始終を見ていた魔導士の眼前で――起こった。 相棒の騎士が敵に止めを刺そうと飛び掛る。 上空に浮いた槍の男に最期の一撃を浴びせようと剣を振り上げる。 相手は既に半死半生。 力を残さぬ相手を、更に浮かせ 烈火の将最大の斬撃・紫電一閃にて締めくくる。 唇を引き結んでそれを見つめるフェイト。 抱いた感情は――やはり、命を奪いたくは無い…だった。 完全に勝負のついた現状。 出来る事なら死なせたくはないという感情は心優しい彼女をして決して消せるものではない。 その甘さが此度の戦いで何度も自身らを窮地に陥れれてしまった。 その負い目から敢えてシグナムの剣を止めなかった。 甘い自分を自重する形で、己が感情を押し込めた―― でも、やっぱり……何とか一命を取り留めてくれればなどと思いつつ―― そんな事は有り得ない…… シグナムの剣がそんな生易しいものではないと重々に理解もしていた。 揺れる心の狭間にて――だからこそ……彼女は目を、逸らした。 敵が切り伏せられるその結果から―――視線を背けた。 ――― 故に当然、その間に起こった出来事を説明する事が彼女には出来ない ――― 「……………」 閉じた瞳は凄惨な結果から逃れたい心の表れでもあり 相手に対する黙祷の意を含んだものでもあった。 しかして―― 「……………え?」 その呟きは戦闘時とは思えぬほどに 間の抜けた響きを以って――彼女の口から紡がれた。 「………あ」 短い、二秒か、三秒―― 閉じていた目を再び開けた彼女―― その光景を眼球が捉え―― 情報を脳に送り込んでいる現状でなお―― フェイトテスタロッサハラオウンは目の前で起こった光景を暫く認識できなかった。 槍が――― ――― シグナムの胸に突き立っている、という事実を ――― ―――――― 「………」 氷のように固まった魔道士の表情の唇だけが、みるみるうちにカラカラに乾いていく。 絶対に有り得ない事でありながら それは不思議と全てが予定調和の如く自然な光景に思われ 呆気ないほどに当たり前の事に感じられて――― ――― やがて静止した体内時計がゆっくりと動き出す ――― 唇がわななき、下腹部が締め付けられ、全身から血の気が引いていく。 震える両手がデバイスを取り落としそうになる。 やがて半狂乱の叫びをその口が紡ぐ前に彼女は 空中で絡み合った剣士と槍兵に向かって、飛び向かおうとした。 「うぐっ!!?」 だが、そんなフェイトの体を何かが拘束する。 首と胴に巻き付いた金属のそれが 相棒に駆け寄ろうとするフェイトの身体を留まらせ、その場に組み伏せる。 「―――敵にトドメを刺さずに放置する。人の事は言えませんね貴方は。」 その声は聞き違いようの無いおぞましさを孕んだ声だったけれど そんな事はどうでもいい。 その言葉は初戦の森で自分が口にした皮肉の意趣返しなのだろうけど そんな事はどうでもいい。 全身をハチの巣にされて倒されたはずの敵が再び立ち上がり、自分の事を捕らえていたのだけれど そんな事はどうでもいい。 「教わりませんでしたか? 蛇はしつこいんですよ。 もっとも――盾がなければ流石に持たなかった。」 何かがあれば隣の男を盾にして逃げおおそうと狙っていたのだろう。 女怪はあの時、ランサーを盾にして死角に身を窶し、殲滅から滅びを免れていた。 槍兵ですら気づかぬ身のこなしで男に影のようにへばり付き 矢避けの「盾」の恩恵で飛来する雷撃のほとんどをやり過ごしたのだ。 そして今の今まで短時間ながらも体内活動を休止させ 負傷した箇所の治癒を――最期の締めを行うに足る余力を回復させながら 雌伏して待ったのだ。獲物と再び、二人きりになるその瞬間を。 「向こうは向こうなりに色々と伏線を張っていたようですが 駄犬が最後の最後に役に立ってくれましたね。理想的な展開です、ランサー。 ―――あとは地獄で……意中の相手と続きをするといい。」 言葉と共に一瞥したその先で 蒼と炎熱の騎士が揚力、浮力を失い、絡み合いながらカクンと―― 重力に引かれて崖下へと堕ちて行く。 「あ………ああ…!!!」 自身に巻き付いた縛鎖が喉に、胴に食い込む事さえ頭にはない。 莫迦みたいに前に伸ばした手は当然、相棒の腕を掴む事などかなわない。 ようやっと心内から吐露された絶望が確固たるカタチを以って彼女の心身、表情に作用し―― 「シ……シグナムッ!! シグナムーーーッッ!!!」 彼女に絶叫を上げさせる頃には既に 左胸を貫かれた騎士と男は奈落へと飲み込まれ――彼女の視界から消えていた 「あ………あああああああっ!! いやあああああああっっ!!!!」 涙に咽ぶ声が、やがて慟哭となって―― 相棒を飲み込んだ渓谷に木霊するのであった。
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かつて高町なのはとセイバーが邂逅し、刃を交えた時 同様にこうした空と陸において似たようなシチュエーションがあったが―― 今回は少し違う、、 風を切り裂き、地を駆けるライダーに対して このフェイトもまた6課最速の魔道士だった 故になのははセイバーの速度に翻弄されたが 彼女は敵を見失ったり、速度で遅れを取るなどして相手にまかれる事は無い ここが仮に遮蔽物の多い市街地であったなら話は別だが 現在ライダーが疾走しているのは峠の一本道 右には絶壁、左は奈落 狭い車道には空爆から身を守る遮蔽物など一切無く まさに上空からの爆撃を迎えるに当たっては最悪の環境 つまりこの追走は現在、フェイト側に圧倒的に天秤が傾いた状態なのだ 地面に打ち込まれていく雷槍を見事な側転でギリギリ回避していくライダー だがその脇腹や腿を雷がかすり、皮膚をきつね色に焦がす 槍や矢というのは直進するのがセオリーだ それを環状魔法陣を用いた加速発射システムによって 無理やり再発射、あるいは曲げて追尾性を持たせているフェイトのランサー 得手あれば不得手あり、、、 高町なのはなどが使う、スフィアによるシューターほどのホーミング性能を この矢に持たせる事は難しい なのはがセンターとして、基本動かずに弾道を操作するのに対し フェイトは常に機動力を生かして動き回るタイプだ 自分の高速軌道を制御しながら、射撃もコントロールするため 槍にそこまでの制御を持たせられないというのも一因である だがそれでも、、今の状況で 彼女の矢が敵を仕留め損なう理由は無い 「はぁッ!!」 それに彼女自身、射撃だけでどうにかしようなどと思っていない 敵が幾度目かの空爆に晒され、弾かれ、ゴロゴロと地面を転がる その隙を突いて今―― 「行くよ! バルディッシュ!!」 Yes、sir 無数の槍に紛れて 自身もまた矢と化して急下降を敢行するフェイト 現在残る矢は7本 そして8本目は魔道士自身、、 敵の逃げ道を塞ぎ、追い詰めていくは雷撃の乱舞 体制の崩れたライダーにサイスを叩き込むフェイト 間一髪、横っ飛びでかわすライダーだったが、そこに新たに打ち込まれるランサー キリが無い、、攻撃の切れ目が無い その多角的な追撃に対し、短剣で払うが またもバチュン!という甲高い音と共に弾かれるライダー その杭を持った手がブスブスと嫌な匂いを発している 感電の付加価値を持った金色の魔弾は弾くだけでも相手にダメージを与える事は先に言った通り 頭上を取られる事のイニシアティブはやはり途轍もなく大きく 今、勝利を手中に収めようしているのは間違いなくフェイトだった 「ランサーセット!」 消費した分の猛追の矢を、魔力の許す限りに追加するフェイト 矢継ぎ早に行われる魔力行使に彼女の体内のリンカーコアが唸りを上げる 遠距離、、は駄目だ あのスピードで動く相手には長距離砲は当たらない ならばこそ近接、中距離での戦術を五つ、六つ―― 同時に展開する脳内シミュレーションに、用意される魔法は優に10を超えている こうしたマルチスキルを持つ者の戦術の幅は驚くほどに広い ただ、選択肢が多いといえば聞こえは良いが…… その能力を使いこなし、フル稼働させるには卓越したセンスが要求される 例えばなのはやシグナムのような一極特化型であれば、ある意味では単純無比 小細工無しで己が才能に見合った武器を磨き、それに全てをかければ良いのだ いわばジャンケンでグーしか出せない物は、選択の必要は無く 相手がどうあれ、より強力なグーを出す事のみを考えれば良いという理屈 だが万能型は違う 初めに何を出すか、どういう戦法でいくか 相手の戦力や思考を読み、慎重に最適な戦術を取らねばならない 常にグーに対しパーを、パーに対しチョキを出す事を求められる彼らの攻防というのは言うまでもなくシビアの極み 選択を間違え、下手を打てば――そのまま一瞬で決着がついてしまう事もあり得る綱渡りの攻防なのだ 故に彼らの頭の回転の速さは一般の人間の三倍以上と言われる その道ではフェイトや高町なのはが尊敬と共に認めている、二人が未だ敬愛して止まない人物こそ フェイトの義理の兄にして、なのはやフェイトにとっては先輩の魔道士に当たるクロノ=ハラオウンその人であった その演算能力や処理能力、思考展開の速さから逆に付いていけるインテリジェントデバイスが無く 仕方無しにカスタマイズされたストレージデバイスを使用している彼 いつだったか、高町なのはがふと零した言葉、、 ―― クロノ君みたいな魔道士にはなれないね、私は ―― 砲撃と飛行のセンスはあれど、決して万能ではない彼女の口から出た それは決して、自分を卑下した物ではない純然たる事実 もっとも、その言葉は単に個の特性を言い表した言葉なだけではなく クロノに対しての尊敬の念が篭った言葉であった 実際、その白い魔道士が十年の厳しい教導を経ても なお至れぬ境地に男はいた 否、、それは初めから巨大な魔力を持っている―― 類稀なる素質を持って生まれた者には一生垣間見る事のない頂であろう ―― 至弱を知る者のみが至強に至る ―― 劣っている魔力量 恵まれなかった才能を補う 人知を超えた努力と工夫 備わらないからこそ辿り着ける境地がある、、 そんな努力の達人を体現したのが他ならぬ彼であったのだ ともあれ、そんな磨き抜かれた 「いぶし銀」 の技巧を持つ魔道士の教えを受けてきたフェイト 兄直伝の高速思考は、幼少からの10年の練成を経て 生まれ持った高機動の資質に更なる輝きを与え―― 近、中、遠距離を戦場のどこにいても味方をフォロー出来 また誰よりも早くそのポジションを自ら埋める事の出来る、という 恐るべき特性を秘めた魔道士へとフェイトを成長させる 付いた渾名が最速のオールレンジアタッカ――「ライトニング (雷光)」 先の話に出たクロノをして 「あと1,2年で越されるかもな…」 と愚痴らせるほどの 彼女の織り成す驚速の連携は、無限のバリエーションを以って まさに鳴り止まぬ稲妻の如く敵に降り注ぐのだ 「サンダー、、、レイジッッ!!」 ここへ来て彼女のもう一つの代名詞 雷属性の砲撃魔法が右手から打ち出された 金色の破光が、纏わり付く金の矢を払い振り切ろうと悪戦苦闘するライダーを打ち抜こうと迫る 「――――!」 それも紙一重でかわす騎兵であったが、、 バシュッ!という感電の音が鳴り響く 高圧の電流を伴った砲撃が かわした筈の彼女の肩口を少し掠っただけで その衝撃が全身に伝わり、きりもみしながら吹き飛ぶライダー まさに打ち放題――トリガータイムだ 敵にこちらを犯す手段が無い以上 上空から狙い打てるフェイトにリスクはない その絶対の優位を誇るフェイトを相手にとって 決定打だけは受けないようにしている相手もまた凄まじい だがそれでも徐々に、徐々に、勝負の天秤は金髪の魔道士の方へと傾いていく 相手は度重なる槍の雨を回避するため地面を転がり、飛び退り 既に擦り傷と感電による火傷で痛々しい姿を晒している そして魔道士が縦一文字に振るった鎌も 人間離れした反射神経で避けるが、、、 もはや反撃の糸口も、その場に踏ん張る事も出来ずに吹き飛ばされてしまう 「もう抵抗するな! 武器を捨てて投降しろッ!! 無駄な怪我が増えるだけだと分からないのか!?」 再度、相手に降伏勧告を呼びかけるフェイトだが その紫の髪たなびく背中には全く届かない 空からの一方的な蹂躙 なまじ敵が強いだけに、その攻撃は決定打にならず 相手の生皮を一皮一皮剥いていくように痛めつけていく だが相手を弱らせるにはこれしか術は無く、、心優しい執務官には酷な仕事となった 何とかライトニングバインド――設置型の捕縛陣に相手を叩き込みたいフェイト その電流を伴った強固な戒めは、フィールドも無い相手の体力を一瞬で奪い 心身共々に抵抗の意思を瞬く間に削いでしまう それを決めることが出来れば、、すぐに終わらせられるのだが―― (シグナムは………) ふと相方の騎士の安否を気遣うフェイト 敵を追うのに夢中になって、あまり騎士の戦っている戦地から離れないように気を配る 交戦中でも、互いのフォローを忘れない それがチームというものだ そしてその時―――数100mほど離れた木々生い茂る地点から、、 ゴォォウ!!と、凄まじい業炎が立ち上った 離れていても、その火山の噴火のような轟音は聞き逃しようがない (、、紫電一閃……) その業火は他ならぬ、あのベルカの騎士が放つ必殺の太刀による物だ 向こうの戦況も佳境に入っているのかも知れない… あるいは今の一撃で勝負がついた? 思考を巡らせるフェイト、、 ならばそろそろこちらも詰めに入ろうと思い立った―― (、、、、、、、、え……?) その、、、、、、、、、、側面から――― フェイトの思考の間隙を縫うように こめかみに高速で飛来する迫るナニカがあった 「な、、なにっ!!??」 それは旋回するかのような 謂わば野球のカーブボールのような軌跡を描いて 彼女の顔面に突き立つ それを銀色の光沢を放つ杭のような短剣だと魔道士が視認出来たのは 常時張っていた体表面を覆うフィールドが、その切っ先を辛うじて阻んで止めたからであろう 「、、、、ッッ!」 思わず息を呑んでしまう 頭蓋骨ごと串刺しにされなかったのは幸運、、 いや、攻め落とすだけという勝利目前の局面においても 念のために防御に魔力を割いていたフェイトの聡明さ故であろう その凶器は他ならぬ、今追いかけている女性の手から放たれた杭のような短剣 長く伸びた鎖に繋がれているそれを完全にこちらに後ろを見せながら、、 魔道士の一瞬の隙を付いて投擲してきたのだ それは本当に刹那の隙だった ただ一時、この戦いから注意を逸らし 相棒の騎士の安否に気を向けただけ―― その間に思わぬ逆襲を受け 意外な反撃に息を呑む―― それだけの間、、、それだけの刻 追跡の中断と思考の混乱を招いたというだけで、、 しかしそれはどうしようもない事実―― サーヴァントならばそれだけのチャンスで 敵に生じた一寸の隙を強引にこじ開け 十分に戦況を引っ繰り返す事が可能であったのだ…… 上空の魔道士に背を向けていた騎兵が今、ここでおもむろにターンする 全力で疾走していた彼女 その前方に向いていた速度を ボコン!、とアスファルトを踏み砕くような切り返しと共に強引に方向転換 慣性の法則を脚力で強引にねじ伏せ 踵を返し、数歩助走―― そして、、、、、、 そして、、釘剣が相手にヒットし 敵の猛追に一瞬の陰りが見えたと同時に―― ホップ、、ステップ、、、、 「行きますよ―――――魔術師ッ!」 、、、、、、、大ジャンプ!!!! ドォォォン、!!!という凄まじい擬音が何よりも似合う まるでロケットが打ち上げられたかのような踏み切りと共に―― ライダーは宙空へと身を躍らせる それは紫色の砲弾 放たれた対空の迫撃砲 乱れ散る長髪をなびかせて その高度はぐんぐんと上昇―― 10m、20m、、、、、ッッ!! 「そんなっ!??」 体勢を立て直すのに一秒も要してない すぐにその相手に向き直った、、にも関わらず―― 敵は逃走を止め 遥か上空に居を構えるこの空戦魔道士に向けて 捨て身のダイブを敢行したのだ そのあまりと言えばあまりな跳躍力に悲鳴じみた声をあげるフェイト 当然だ……埒外なんてもんじゃない 翼持たぬ者が要するであろう常識的な跳躍力は 生物の構造上、その身体強度の限界を超えて飛ぶ事は出来ない たとえば、もしヒトが10m以上飛べたとして 着地の際に地面に落ちる衝撃には当然、耐えられない 地を駆ける者に許された跳躍には制限がある そう、彼らは決して―― 「跳ぶ」事は出来ても「飛ぶ」事は出来ない そのセオリーを無視して自身の身長の数十倍以上を飛べるものなど、ノミかシラミくらいのものだろう ならばこそ、そんなセオリーを木っ端微塵に砕いた ノミの化身と呼ぶには些か眉目秀麗過ぎる紫の女怪のそれは もはや跳躍ではなく――飛翔 飛距離は伸びる、、30、、40、、、 「バルディッシュ! 迎撃を!!」 Yes master ソレは瞬く間にフェイトの眼下にまで上昇してきた 地面から打ち放たれた、まさに対空砲撃と化した騎兵に対し プラズマランサーを当てるのは難しい ならば自ら迎撃――その砲弾を打ち落とす! いかに凄まじい突進であろうと一直線 空戦による攻防のアドバンテージは今だ、空を自由に駆けるフェイトにある 「シールド!!」 紫色の砲弾に対し、フェイトはその右手に魔力を集中させ、、 今、全力のシールドでそれを受け止めていたのだ 宙空にて激突する紫と金色 空を魔力の残滓で染め上げる二人の光は まるで月光に舞う蝶のよう ギギギッギギッッ、、という鼓膜を削られるような 魔力陣の擦れる音が宙域一帯に鳴り響いた 「く、ぅ、、、!!」 凄まじい衝撃がフェイトの全身を駆け巡る 内臓が悲鳴を上げ、左肩の間接が軋みを上げるのを 歯を食いしばって耐える魔道士 装甲の決して厚くない彼女にとって 敵の攻撃を耐え抜き、真っ向から押し返すのは得意ではない だが、この場合はそれでも受け止めるのが正解 その痛みと苦痛に耐えた時の見返りは――完全な勝利 下手に逸らしたり避けたりして敵を逃がし、再び地に降り立たせる事は無い 初めはその人外の跳躍、脚力に肝を冷やしたが 冷静に対処すればどうということは無いのだ 重力の楔に縛られた者が、空に住む者を前に宙に身を躍らせるという事―― それは自殺行為と呼ばれるに値する愚行だった このまま相手の勢いを減退させ、弾き返すだけで 期せずして敵の無力化は完了 力なく浮き上がり、自由落下に身を任せる以外に術の無い肢体に 空中での同時連携を数十発叩き込めば、それでノックアウト そして今まさに詠唱中のライトニングバインドを相手の落下地点に設置し、、 そこに叩き落して―――詰み、だ 思考内、一瞬で決着までの肯定を組み上げるフェイト そして相手の体当たりが徐々にその力を無くし 金色の障壁に押し返されて、、、 「!!」 否、、フェイトが再び目を見張る そこでも敵の行動はフェイトの斜め上を行くものだった 渾身の力で張られた防御壁を抜けないと悟った相手は 何と空中で体を入れ替え、両足でシールドを思いっきり蹴り付けたのだ 防御壁を踏み台にして自ら急降下 その両足で蹴りつけられた障壁がゴウンと揺れる そして―――髪をなびかせて何事も無かったように地上へと帰っていく騎兵 「逃がさない!!」 冗談じゃない、、 これでは攻撃の食らい損、盾の張り損だ この大チャンスに、せめて障壁展開の魔力消費分の戦果を上げないでどうする? 地に急降下するライダーをすぐさま追撃するフェイト 敵の足は未だ地面についてない 完全に地上に到着する前に回り込んで相手を拾えば、まだエリアルでのKOは十分可能だ 普通ならば流星のように地に落ちていくライダー相手にに追いすがれるものではないが この魔道士の機動力ならばゆうに可能 急降下して空から逃れようとする騎兵に更なる急降下で猛追をかける黒衣の魔道士 その左手を再び相手に向けて翳す 「セット、、、」 再び具現するプラズマランサーが、、 否、地上に落ちて未だ生きている分も再稼動を始める 大地から剣山のように その切っ先をライダーに向ける槍 完璧な詰めだ 地上と空中からの挟み撃ち これは、、かわせない! 「ファイ―――」 奔流する魔力を翳した手に集め 複数の雷槍に命を飛ばし 相手にとどめを指そうとするフェイト、、、、 その手首に―――― 「あ、ッッ!??」 突然、驚きと共に何かが絡み付く その何かはまさに今、雷槍を打ち出そうとしたフェイトの左手首を締め上げ 思いっきり体ごと引っぱってくる 何が起こった!? 前後不覚に陥る魔道士 その引力で体勢を崩し、同時詠唱によってそのテーブルに接地された フェイトの数々の魔法が霧散してしまう 「―――本命はこちらです」 耳に響くその声 敵、、あの紫の騎兵―― ライダーの「今まさにしてやったり」、という呟きだった そう、そのリストに巻きつき ギリギリと締め上げているのは――鎖、、 言うまでも無く、彼女の武装である 短剣の尾から伸びている金属の縄であったのだ 上空30m以上の高度から降下したライダー 翼無き者とは思えないほど、彼女は見事に 地面を滑るように着陸し、悠々と地上に降り立った そして再び、走り出す―― 今度は、、連環によって繋がれた「エモノ」を引き摺って 一瞬の躊躇が生んだ状況 左手に巻き付く敵の縛鎖 これでフェイトの制空権は大幅に制限され 先ほどまで為す術の無かった騎兵の攻撃は十分に射程内となる (油断しちゃ駄目だって、、自分に言い聞かせたばかりなのにっ……私のミスだ!) 再び地を駆けるライダーと 先ほどまでと打ってかわって 10m前後の低い高度にて彼女と並走しながら飛ぶフェイト 騎兵が駆ける一本道であった山道は再び林道へと景色を変え―― 道路の周りにちらほらと、生い茂る樹林が高々と聳え立っている その中を疾走する二人 そして―――舞踏は新たなるステージへと移行する 目の前に迫るのは――――数え切れないほどの木々生い茂る森 フェイトの顔が青ざめる、 直感で判断するまでも無く、、あそこに入ってしまったらまずい それは間違いなく自身の特性の大半を殺されるフィールドに他ならない あそこは高速戦闘と機動力を旨とする自分のアキレス腱に、楔を打つ戦場だ 引きずり込まれたら戦局は急転直下…… 一気に相手へと傾く事になる 「バルディッシュ、上昇するよ!! 出力全開ッッ!!!」 まるでクルマがマフラーから排気ガスを放出するかのように フェイトの全身から黄金の魔力が噴き出した 肢体は次第にピッチアップ――頭から上昇の機動を描き 強引な上昇、出力任せに高度を稼ごうとする 相手がそれを阻むなら――その鎖に繋がれた体ごと宙に引き上げてしまえばいい 何せ魔力量自体はバカ魔力と称されたなのはと同等かそれ以上のフェイトだ 人間の体一つなど、簡単にに持ち上げられる そう思い立ち、急速アップトリムを敢行するフェイト…… だが、、、、、それでも、 (―――――上がらない!??) アクセル全開 空へと舞い上がる筈の機体が、、、これ以上の高度を許さない ギリ、ギリ、、ギリ、、、ギリ、、、、ギリ、、、、ギリ 左手首が捻じ切られるほど絞まる その戒めの鎖の先にあるのは―― 疾走しながら、まるで根っこのように両足で地を食み 鎖を渾身の力で引き付けているライダーの姿だった 「、、痛ぅッッ…………」 強烈な引き合いで魔道士の肩関節が外れそうになる 凄まじい膂力だ Sランク魔道士の出力に身体能力で拮抗するなど、、 まるで馬や牛と綱引きをして勝つビックリ人間そのまんまの構図である そして――激走に激走を重ねる両者、、 道なりに走るライダーの前方には直角に折れたコーナーがあり それに対し減速せずに突っ込んでいくライダー 先のカーチェイスでは、自転車でありながらヘアピンをノーブレーキでクリアした彼女である 自身の足ならばこの鋭角のカーブも難なくクリア出来るだろう そのグリッピングポイントに差し掛かる紫紺のサーヴァントが つづら折れるコーナーを理想的なラインで――曲が、、、、、、 「――――、!」 、、、、、、、、、、、、、、らない! もはやレースごっこは終わりとばかりに 何とそのままコーナーを曲がらずに直進したライダー 道路を跨ぎ ガードレールを陸上のハードルのように飛び越え ものの見事にコースアウト そのまま眼前に広がっていた深い森林へとその身を飛び込ませる 当然、、フェイトを引き摺ったまま――― 「く、、、、、ううぅぅ……!!」 必死の抵抗空しく まるで牽引車に引きずられるかのように 上空から力任せに引き入れられたフェイト まるでカメレオンの舌によって絡めとられ その口へと放り込まれる虫のように―― ぽっかりと空いた森が、、、 金の髪の魔道士を飲み込むのだった 今、深く昏き森で繰り広げられる、、 美しき女神達の織り成す チェーンデスマッチの開幕である ――――――
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フェイト・テスタロッサ 登場作品:『魔法少女リリカルなのは』 キャラクタータイプ:中距離万能型 使用武器:バルディッシュ・アサルト 奇襲向けの射撃が多く、ソニックフォームになれば格闘による奇襲も掛けられる闇討ちキャラ。 攻撃全般が出が遅めであったため一般的評価は低めであったがVer1.04で各種強化され使いやすさが上がった。 通常形態なら遠~中距離で射撃による奇襲を狙い、ソニックフォームなら中~近距離で射撃と格闘による奇襲をかけるのがいい。 通常形態とソニックフォームは一長一短なため得意な形態で固定するのもよし、何度も変える事で敵を翻弄するもよしである。 通常格闘 通常形態5段-覚醒時7段 ソニックフォーム7段-覚醒時10段 格闘の初段はVer1.04で強化されたがまだまだ遅い部類。格闘の繋ぎは早い Ver1.04で強化されたおかげでかなりのリーチと範囲がある。また踏み込み距離も全キャラ中第2位/第5位(ライトニングフォーム時/ソニックフォーム時)とトップクラスの性能。 通常形態・ソニックフォーム共に格闘射程は瞬間移動できる範囲。 魔力技1:プラズマランサー※溜め可 魔力の矢を複数同時発射する 溜めることで弾数が増加 魔力技トリガー+通常攻撃キーを再入力で 相手に向かって方向修正可能(最大2回まで) 溜め無8発 溜め有16発 「プラズマランサー」「ファイア!」「ターン!」 8-16 Hit 威力:48-96 溜め:3 回復:3(ソニック時3.5) 追加入力無しではほぼあたることがなく、一見すると最弱技。 あらぬ方向に撃ち、ターンで死角から当てるのが基本。 射程に注意しつつ、2回曲げられる事を意識できるようになれば一人前、敵が魔力技等で止まった所で曲げよう。 とっさに撃てる技にしては威力がかなり高い上、至近距離で撃ちすぐにターンさせるとかなりの確率で当たるため状況によっては狙っていきたい。 1人目にロックオン中にランサーを出し、2人目にロックしてからターンしても1人目に追尾する。 フリーカーソル時に使用すると、正面に撃ち出すがターンが使えない。 格闘へのカット、敵の魔力技の硬直、味方の格闘のダメージアップ、敵格闘の迎撃、近接固めなど使用用途は多い。 魔力技2:ハーケンセイバー※GB※溜め可 高い誘導性能を持つ斬撃波を放つ 溜めることで射程が延びる 「ハーケンセイバー!」「はっ!」 1 Hit 威力:53 溜め:3 回復:3.5(ソニック時3) フェイトの主武装。ダウン効果付きの誘導技を溜めなしで撃てるのは強力。 なるべく死角から狙っていくと当てやすい。高低差をつけるとなお良い。 Ver1.04で発生が強化されたため近距離でも使っていける。 フリーカーソル時に使用すると正面に飛んでいく。 Ver1.54で発生速度と射程距離が強化され、溜めなしで通常魔力弾とほぼ同等の射程に。溜めるとなのはのディバインバスターより射程が長くなる。かなり優秀なGB付き誘導技に。 魔力技3:ソニックフォーム ソニックフォームへと形態変化する 近距離タイプへの移行、移動速度の向上、 魔力技の装填速度変化など様々な効果が得られる ただし、ガードの消費魔力が大幅に上がる(約2倍)。 「Barrier jacket. Sonic form.」 回復:10(ソニック時4.5) 維持:- 簡単に言えば、魔力技1が射撃の近距離キャラになれる。 奇襲が売りのフェイトの場合、上昇した移動速度は離脱に使うほうが良いかもしれない。 ハーケンセイバーの充填が早くなるのも魅力的。 魔力バースト奥技1:プラズマザンバーブレイカー※GB 爆発効果のある砲撃魔法、爆発範囲は広い 「雷光一閃・プラズマザンバー……ブレイカー!」 威力:225 溜め:5.5 バリア耐久:120 発動の関係上、地味にSLBより性能が良い。 範囲の広さを生かそう 魔力バースト奥技2:ジェットザンバー ザンバーフォームのバルディッシュを巨大化させて相手を斬り付ける。 「撃ち抜け、雷神!」「Jet Zamber.」「はっ!」 1Hit 威力:300 射程はプラズマランサーより若干長い程度。 MB2を潰せるのはジェットザンバーが対象にヒットするまで。至近距離でヒットするとデモ時間が短いため非常に潰されにくい。 コンボ 基本的に距離限 コンボ(ライトニング) 備考 5打(CAC)→プラズマランサー(即ターン) 基本且つ主力。5打が入ればどの状況からでも。ダメージ65前後。 BDA→プラズマランサー(即ターン) 主力2。最速でやらないと硬直が切れる前に敵が動ける。ダメージ55前後。 ハーケンセイバー(GB)→BDA→プラズマランサー(即ターン) GB見てからだと少し遅い。ハーケンセイバーをガードするのを怖がらせるためにも。 ハーケンセイバー→BDA ハーケンがガードにぶつかる前にBDAでGBさせる。威力はハーケンセイバー単発と同じ。 射撃1~2→5打(CAC)→プラズマランサー(即ターン) 射撃間合いから限定。近すぎると格闘がガードされる。ダメージ75前後 コンボ(ソニック) 備考 7打(CAC)プラズマランサー(即ターン) ライトニングと同じく基本。ダメージ75前後。 BDA→プラズマランサー ライトニングと同じ。 ハーケンセイバー(GB)→BDA→プラズマランサー 〃 ハーケンセイバー→BDA 〃 戦術(2ON2) 近距離中距離とこなせる万能キャラ。味方との体力を考えた位置取り、戦い方が必要。 基本的にはプラズマランサーとハーケンセイバーをしっかり当てていくことが重要になる。 しかしそればかり狙っていると相方の負担が大きいので、ほどほどに格闘を入れて注意を引くこと。状況によっては、CACランサーより ダウン狙いのCAを。 後半は足がはやいので、ちょっと前に出る感じで戦うと良い。逃げ性能はたかい。 自分のライフが半分のこってるうちに味方が1回死んでHP3本くらいになってる場合、0落ちも視野に入れると、勝率があがる・・・かも。 セリフ ストーリーモード選択時 「勝つのは、私ですから‥‥」 戦闘開始時 「フェイト・テスタロッサ、バルディッシュ・アサルト 行きます!」 ストーリーモード最終面開始時 「このっ、駄々っ子!言うことを‥‥聞けーっ!!」 魔力開放時 「Zamber form, Drive ignition.」 敵撃破時 「次、いける?」「Yes,sir.」「いい子だ」 戦闘終了(勝利)時 「私の勝ち…ですね」 戦闘終了(敗北)時 「次は、負けませんから」 その他メモ Ver1.04にてハーケンセイバーと格闘の範囲と出が強化されたおかげで苦手だった近距離戦も一応は可能になった。 コメント欄 画像てすと -- 名無しさん (2009-01-11 11 42 22) 画像は別の場所に分けて追いが方がいい。攻略自体には不必要 -- nanashi (2009-01-12 19 05 47) ここは別にキャラ攻略じゃないっしょ。一箇所にまとめて置くとみたいキャラがすぐに見つからない。検索を使えばいい話だが、名前とキャラが一致しない人でもわかりやすいという意味では攻略情報の一つとして有意義であるし。 -- 名無しさん (2009-01-12 21 43 05) 名前 コメント
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J・J・フェイト 名前:J.J. Fate デビュー:『ドナルドの災難~家庭篇』(1956年) 概要 厄病神として人々から嫌われている幻のダック。ドナルドダックを例にとり、災難は運やツキのせいで無く、本人の不注意さに問題があることを証明する。 登場作品 1950年代 1956年 ドナルドの災難~家庭篇 1959年 ドナルドの災難~仕事篇 声 ビル・トンプソン(1956年~1959年) 茶風林
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追う――追う―― ライダーのサーヴァントの誇りにかけて必ず捕まえて―― 「く、――ッ、!?」 ブシュン、と鎖骨の辺りが裂けて血飛沫が飛ぶ またも一方的に打ち込まれたアクスの柄に顔を歪ませて後ろによろめくライダー だが、、その時 がつん、――と 自身のつま先に感触があった 当たったのか――? (……いや―――浅い) これだけの近接戦だ 振り回していればいつかは相手に当たる事もあるだろう だが、その感触はクリーンヒットには程遠い 何とか当てはしただけだ 何せ体勢が体勢である 力の入った蹴りなど望むべくも無く、あの相手の装甲を打ち抜けるはずが無い こちらは新たな深手を負わされ、対してこちらはつま先で掠らせた程度 お話にならない――こんなに悔しい事は無い (おのれ――おのれ――おの、、、、) 「、、あぁ、、、は、……ッ」 (!?) その時、、 おおよそ考えられる最も屈辱的な劣勢に歯噛みしていた騎兵の耳に はっきりと――相手の魔道士の声が聞こえた 両者の戦いにはもはや「音」といった概念はなかった 既にそんなもの、彼女たちの動きに追いついて来れないのだ だから、声も、爆音も、炸裂音も、その鼓膜を煩わす事の無い 即ち無音の戦いを繰り広げてきたのだが、 だというのに、、聞こえたのだ 彼女の悲鳴のような、搾り出す声が 「―――、?」 驚いて振り向くライダー その対面 体をくの字に曲げて嗚咽を漏らす彼女の姿があった ――耐え難い苦痛に目を見開いたその表情は、、 こちらと目が合った瞬間、消え去り 魔道士は再び視認不可の稲妻となる だが、、、だが…… (攻撃が効いたのですか――? あんな当たり損ないで…?) 当てた方が狐に摘まれたような顔をする珍しい光景 ダメージを与えたのだという事は今の相手の表情が全て物語っている まさか、、どういう事なのか? そういえばあまりの高速戦闘ゆえ気にしている暇も無かったが あの時、自身のつま先に感じた感触はどうだったのか? 敵の纏う障壁は神代の時代においてもお目にかかった事のないもので こちらの攻撃を時には柔らかく包み、時には硬く弾き返してしまう その独特の感触に幾度も臍を噛んだものだが―― あの時の当たり損ないは 豆腐でも蹴ったかのような、脆い手応えは、 確実に生身の人間のそれ――??? (纏って―――いない? 彼女は今、あの障壁を…?) そう考えると現状 あの桁外れの速さはどう考えてもおかしい 何の対価も無しにあれが出来るのだったら彼女は 自分との闘いでとっくに使っていても良いのではないか? それをしなかった理由――今の今まで使わなかった理由は…… 予想の域を出ない、憶測に過ぎないものだが あのスピードが……特殊装甲を脱いだ事によるものだとしたら、、? 「――――、」 考えている暇は無い 躊躇っている間にも相手の鈍器が自分の身を狙っている 最低限の防御が間に合わなくなった時が自分の最後だ 重武装である戦斧の一撃をまともに受ければただでは済まない 「ならば―――」 スタイルには反するが もし勘違いであったなら自滅するのはこちらだろうが それでもやるしかない 「はあああっっ!!」 「シァッ!!」 幾度目の邂逅か……時間にすれば5分と立っていない しかし300合はゆうに超えた激突の果てにフェイトのバトルアックスが 一瞬速く、ライダーの短剣越しに体を捉えるが―― ―― それ以上の衝撃がフェイトの体を貫いた 「あッッッ、ううッッ!!!」 同時に交錯し、互いに後方に抜けた両者 だが、フェイトの飛ぶ軌道が明らかに変化する 蜂のようにシャープだったそれがグラグラと揺れるような乱れを見せたのだ 「そうですか……やはり――」 ライダーも打たれた右の腕を抑えている だがそれはあの魔道士の変容の比ではない 騎兵の目が――戦慄に染まっていた両の眼が 再び得物を前にした光を灯し始める フェイトの速さは彼女を僅かに上回っているが……それも紙一重 サーヴァントもまた驚速を誇る騎兵だ そして「この過程」が正しいという確信を得た今ならば―― いくらでもやりようはある (この身を相手にした時のセイバーはきっとこんな気持ちだったのでしょうね) 得意の早駆けで遅れを取った事で少々ナーバスになったのか いらぬ事を思い出す騎兵 結局はこういう事なのだ 相手があの速度と引き換えに差し出してきたものは、 ―― 打てば弾ける生身の身体 ―― 種を明かせば簡単な事だ 要は装甲を捨ててスピードを増したというだけの事 故に今の彼女は普通の人間と何ら変わらぬ 決して当たり負けのしない相手 ならば最悪……相打ちでも十分に勝ちうるという答えに繋がる あの忌々しい騎士王の戦法と同じだ 共に被弾覚悟の殴り合いを仕掛ければ、多少の速度の優越など何の意味も無い 打たれ弱い方が負ける――哀れなほど一方的に 「く、、うああっっ!!」 「我慢比べ……些か美しくありませんが――良いでしょう!」 先の当たり損ないでヒビの入った肋骨の痛みを フェイトは鋼鉄の精神力で抑えて裂帛の気合で飛び荒ぶ ここで失速したら、気づかれる! この優勢が実は砂上の楼閣 背水の陣によって成り立つ最後の抵抗だという事に ――嗚呼、だが無念に過ぎる その頑張りは無意味なものだ 敵は、もう気づいてしまった 怒りと覚悟の元に踏み込んだ領域ですら この絶対空間を打破するには至らなかったのだ 三度、四度と交錯する二つの影 だが先ほどまでとは明らかに違うその結果 紫紺と金色がすれ違った後の光景はあまりにも凄惨で まるでミツバチとスズメバチのぶつかり合いのようだった 金の光が紫の光に明らかに力負けし 交錯ごとにフラフラと乱れた挙動を見せる ライダーがいつもの小さく、素早くを身上とした戦闘スタイルからは考えられない 体を開いた大きな構えで敵と相対する 何という無様……華麗に鋭く相手を刺す 蜂の如き闘いを旨とする彼女にはきっと耐え難いものだったに違いない だが、これしかない あの相手を決して逃がさず、確実に仕留めるにはこうするしか無いのだ その全身で激突し、身体のどこかとどこかが接触さえすれば良い こちらは致命傷を避けつつ、受け止め、当たり、激突を繰り返すだけで―― これで敵は勝手に削られ、自滅する 「う、、うう…」 all right...? 「はぁ、、、はぁ……ッ、、平、気…」 その一合一合がフェイトの体力を根こそぎ削っていく ライダーの攻撃が明らかに変わった 針の穴を突くような鋭い一撃で相対してきた彼女が 今は肩から強引にこちらへとチャージしてくる まるで騎士や、重装歩兵の突撃の如く 最後まで騙し果せる相手とは思わなかったが さしたる痛手を与えないうちに気づかれてしまったのが――全ての敗因か、 残る可能性の全てを賭けて望んだソニックフォームでさえ 生還へ続く道に手が届く事はなかったのだ 一合、一合ごとに まるで鐘の中に閉じ込められて除夜の鐘を聞くかのような衝撃が 肉体に矢継ぎ早に響き渡り、彼女を確実にコワしていく それでもこの無謀な攻防を止めるわけにはいかない―― 「くう、、うう……!!」 込み上げる胃液が口の中に充満し 鼓膜はガンガンと警鐘を鳴らす これがサーヴァントと生身の人間の身体能力の差 装甲車とバイクが激突を繰り返しているようなものだ 一撃ごとに脳からはみ出そうになる意識を必死に繋ぎ止めて 勝ち目の無い激突を繰り返す 止まったら終わり―― 止まれば、一撃の元に殺されてしまう 「、、ぁ」 だが、そんな鉄の意識と覚悟は 肉体の損傷という結果の前では何の意味も為さない 幾度目かの激突を経て限界は唐突に訪れる―― 魔道士の身体がついに失速し スケートの演舞のように空中でくるくる、と力なく回転し 地面に落着して、、止まる ライダーも対面に着地した こちらも激しく息を切らし、体中傷だらけ 露になった肌が、頬が赤く蒸気して精一杯の様相を呈してはいるが、 ヨロヨロと力尽き、地に膝をついてしまうフェイトの消耗とは比べようも無い 四肢を地に付き、気管支から搾り出すような呼吸音をひり出す魔道士 珠のような汗が全身から止め処なく溢れて地面を濡らす 呼吸困難に咽ぶその身には既に戦力と呼べるものなど何一つありはしない そのフェイトの足首に―――魔の鎖が巻き付いた ―――――― 「―――――捕まえた…」 騎兵の胸が激しく上下する 肩で大きく息をしているその身には何ら余力などなく 自身、捨て身の攻防だった事を如実に物語ってる 魔力の大半を消費して敵を鳥篭に囲ったこの絶対有利の状況で 相手の予想外の奮戦がいかに凄まじかったか―― このか弱い獲物でしか無い娘が、いかにこちらを苦境に陥れたか分かるというものだ しかしながら、これで本当にチェックメイト…! 今ようやく相手を縛鎖に捕らえ 拘束する事に成功した事実に騎兵は安堵を禁じえない 鎖を力任せに引き付けて黒衣の魔道士をこちらへ手繰り寄せる じゃらじゃらと鉄の擦れる鈍い音は破滅へのカウントダウンのよう、 何とか再び飛ぼうと足掻く彼女だったが、もうほとんど体力が残っていないのだろう その姿は、足を紐で括られ柱に縛り付けられて それでもなお羽ばたいて飛ぼうとする小鳥のように滑稽で嗜虐心をそそられる 焦がれた獲物を手の内に捕らえる満足感――苦労の甲斐があったというものだ 未だ抗おうと両手で地面を食み、爪を立てて留まろうとするが無駄な事 ずりずりと為す術も無く騎兵に引き寄せられていく 「………」 ギリ、と足に食込む敵の鎖 ライダーの膂力にされるがままに引き付けられていくその体 やがて逃れる事を諦めたのか 右足を引かれた不自然な体勢で床に尻餅をつきながらも 彼女は正面からこちらを見据えて、未だ戦意を失わぬ瞳でライダーを睨みつける 捕まればジ・エンドだ 完全パージした装甲を再構築するに必要な魔力を この人食い空間では即座に得られない だから今のほとんど生身に等しい状態で敵の攻撃を受ければ 彼女の体など、あの怪物は容易く引き裂き、折り曲げてしまうだろう だというのに何と凛々しく誇り高い娘か 金の髪を、黒い法衣を血と泥で汚しながら 最後まで弱気になる事も許しを乞うて泣き叫ぶ事もない 騎兵を射抜く両の瞳に些かの陰りもない もはやライダーとフェイトの間の距離は10歩半 一息で詰まる間合いしか残されてはいない クロスレンジに入った瞬間、当然フェイトはライダーの懐に踏み込んで一閃逆転を狙うだろう だがその最後の抵抗は当然、このサーヴァントも読んでいる 来る方向、速度の知れた打球を打ち返せぬほどこの相手は甘くは無い 肉体の消耗ももはや臨界………成功率は低い 背水の心構えで望んだ攻防だった それでもこの呪界を超える事叶わず、敵を上回る事も出来なかった ならば支払われる代償はこの命以外にはないのか――? 床を無様に引き摺られ、腰を、背中を、地面に擦られながら 執務官の両の瞳が強大な相手の相貌を見据えてデバイスの柄を握り締める その最期の瞬間が迫り、――― 決して望みを捨てぬフェイトテスタロッサハラオウンの元に、 「テスタロッサ!!!!」 再び奇跡が起きた いや、奇跡などという安直な見方はすまい これは彼女の頑張りが招いた結果 決して諦めずに飛び続けた魔道士が掴んだ――地獄に垂れたクモの糸 怒声が飛んだ! ライダーの側面! フェイトの斜め後方からの声! 「……!!!!!」 聞き間違いようのない 戦場に響き渡るその声が鼓膜に届いた瞬間、反射的に爆ぜるフェイトの体! ライダーがそれに気を逸らした一瞬を彼女は逃がさない 跳躍し、ぐんと空中で丸まって鎖の伸び代の余裕をなくす そしてその場で回転し―― 遠心力で翻る重厚な戦斧を、足に巻きつく縛鎖に叩き付けたのだ! 甲高い音を立てて断ち切られる鉄の呪縛 「くっ!? フェイトっ!!」 捕らえた獲物の感触を失った女怪の鎖が場に散らされ 必死の思いで囲った鳥が再び手から逃げていく ギ、と歯を食い縛り、その邪魔をした元凶 まだ無駄な抵抗を、と憤る騎兵の遙か側方にて―― ――― 火山の噴火の如き火柱が天を突く ――― アスファルトを容易く溶解させ マグマと化した地にしかと両の足を沈ませて 再び、敵の前に姿を現す――炎熱の修羅! 「だいぶ休めた……あいつが頑張ってくれたおかげでな」 地の底から響くような声 激情は既に臨界を突破 肌を濡らす己が血液すら焦がし 蒸発させる凄まじい熱気を放ち 引き結んだ唇の内で食い縛った奥歯がビキ、とひび割れる 友がその身を賭して作ってくれた時間 言葉と裏腹に瀕死の状態は何ら変わらずとも―― ここで立たねばベルカの騎士の名折れであろう! 手に握られるは剣の騎士シグナムのデバイス レヴァンティンのもう一つの姿 もはや斬り合いでは相手にならないその身が「此処」に辿り着くはむしろ必然 炎の中から蘇るその姿はまさに不死鳥 真紅の翼を翻したような魔力を伴う――それは一条の矢! 「―――、! くッ!!?」 ここに来て近接一辺倒だったあの「剣」士が 左手に構えるはクレリアの輝きを放つ―――弓! ライダーの痩身を襲う戦慄はいかほどのものか ただの弓などこの身には利かない そんなもの一息に叩き落して終わりにしてくれる! だが、ここは彼女のいわば胎内と同じ そこに落とし込まれたものが何を持ち、どれほどに暴れているかくらい体感で分かる あの手に握られるモノはそんな生易しいものではない いわば邪神の心臓を穿って余りある勇者の弓 満を持して放つは烈火の将の切り札 一撃必殺――ボーゲンフォルムから繰り出される最終兵器! 「――――死に損ない、!!」 「私を死に損なわすには少し足りなかったな……化け物」 憤怒に瞳を輝かせる闇の化生のスクエアが騎士の心臓を 皮膚を、指先の神経までもを侵そうとするが、もはや無駄な事 滾りに滾ったこの血潮を凝固させられるものならさせてみよ! 「翔けよ、隼ッッッ……」 限界まで引き絞った弦に装填されたレヴァンティンの刀身が 灼熱の矢へと完全に変貌を遂げて吼え狂う 極限にまで凝縮された彼女の炎を内包したそれがボルケイノの如き激しい火の粉を周囲に撒き散らす 宝具級の一撃が――来る! 怒りも、憤りも、今はいい これは受けてはいけない攻撃だ ライダーがその身に秘めたあらゆる性能を回避と防御に回して身構えたのとほぼ同時―― 「シュツルム、、、、ファルケンッッッッ!!!!」 巨大かつ豪放なカノンをぶっ放したかのような 爆雷砲の轟音と地響きを場に伴って―― プロミネンス火山の噴火を髣髴とさせる凄まじさを以って―― 今、シグナム最強の直射型兵装が火を噴いたのだ!! 「くっ、ぬ―――ッッ!!!」 放たれた矢は音速の壁を軽々と突破して飛翔 サーヴァントを射抜くに十分な速度と威力を秘めたまま 至近距離で放たれたそれが爆炎と衝撃波を撒き散らしながら騎兵の身に迫り あっという間に彼女の肉体の真芯に到達する業火の矢 死に物狂いの回避――形振り構ってなどいられない 体の半身に到達するそれを、体を捻ってなおかわしきれない こんなモノを受ければひとたまりも無い 恐らく、その半身に掠っただけでも衝撃波だけでごっそりと「持って」いかれるっ! 「は、ッ!!!」 手に握られる杭剣を、その力の塊に叩きつける騎兵 少しでも矢の軌道をずらそうと、もしくは反動でこちらの身をずらそうと思い至っての行動は 瞬間、、ビキャ、!!!という鈍い音と共に―― 至近距離から爆発に巻き込まれたニンゲンのようにその長髪を宙に舞わせて、 彼女は―――弾け飛んだ―― コマのように回転し―― 否、回転させられて―― 7m弱の高さまで直情に跳ね上がって空を舞い―― きりもみしながら、、地に堕ちた……! ―――――― 剣の騎士だ何だと散々嘯いておきながら この期に及んで出してきた彼女の切り札は剣でも何でもない――弓矢による一撃 それはまさに反則級の投擲だった 本職の弓兵と比べても威力の面では決して劣るまい フレイムロード――― 火炎帯びたそれが初速から音速をゆうに超えて一直線に飛来した後に まるで空間を裂いたような一条の紅い道を作り上げる 何人たりともその直進を止める事など叶わない 仮に止めようとして間に入ろうなどと考えるのなら―――あの有様だ ――― 新幹線の前に飛び込む方がいくらかマシだという目に会ってしまう ――― 地面に叩きつけられた彼女の体は、その場でなお止まらず アスファルトにその身を擦られながら跳ね続ける その華奢な体が慣性の法則により、ようやっと静止した時―― 「か、―――ふ、ぅ、……」 口からの大量の吐血が地面を朱に染め上げた 炎に包まれた半身 だらりと下がった肩は間違いなく脱臼し 肘から歪に曲がったその腕は見るまでもなく骨折し 地面にだらしなく投げ出した無残な肢体に彼女本来の躍動感は感じられない しかしながらそれでも、、、 「は、―――ぁ、……何とか……」 そう――根元から砕かれた利き腕を初め 一瞬で満身創痍に叩き込まれながらも その多大なる犠牲と引き換えに将の投擲の直撃を防いだ騎兵の姿があった 「、、つ――」 空を見上げ、苦しそうに喘ぐライダー こんな衝撃はセイバーの剣をその身に受けた時以来だ 全身が痺れて上手く動けず、感覚もほとんど無い まさに電車に轢かれたかのような有様とはこういう事を言うのだろう だが、、同時に彼女は確信を持てる 動かぬ首を無理やりずらして 今しがたこちらをこんな目に合わせてくれた騎士を見る そう、本来ならば追撃の心配をせねばならぬ身 そして迎撃の体勢など到底整っていない身 明らかに危機的状況でありながら――やはり彼女には確信がある そして、その確信は間違ってはいなかった 地に横たわりながら見た騎士の姿 案の定、追撃どころではない 再び地面に膝をついて力なくうな垂れる彼女 その残った体力の全てを注ぎ込んだ――あれが本当に最後の切り札だったのだろう 死にかけの体で放ったラストシュートだったわけだ フェイトももはや力を残してはいない 鎖から逃れたまま宙に投げ出されたその身を地に横たえて 真っ青な相貌に虚ろな瞳――この結果を正しく理解しているかどうかも怪しいものだ 勝った 相手の全ての抵抗を今、間違いなく受け切り、凌いだ 紛れもなく今、この身が確実に勝利を手にした瞬間だった この空間は閉じ込めた相手の精気を吸い上げ自身のものへと変換する 多大な損傷を受けてしまったが相手にとってはまさに報われない事実 他ならぬあの二人の魔力、精気によってこの程度の傷などすぐに回復してしまうのだ ―― やはり神殿の中でその主に逆らう事など愚の骨頂 ―― 勝ち目など初めから1%もありはしなかった ありがたい事に双方、並の人間と比べ物にならない魔力量の持ち主だった それがこちらの更なる力となってしまうのだから皮肉なもの もはや二人には止めを刺す必要もないだろう このまま捨て置いても神殿の中で全ての魔力を吸精されて朽ち果てるのみ ああ、だけど―― そんな味気ない結果は認めない せっかくここまでお膳立てをして ここまで苦労して、手こずったのだから 結末は自分の手で引きたいものだ もうすぐこの身も再び動力を得るだろう その手も、足も、元通りに動くようになるだろう その時までどうか朽ちずに―――待っていて欲しいもの、―――― 「――― 、、、なっ!!!」 その時、、、、 ライダーの肉体に更なる衝撃が走る 先と比べようもない凄まじい地鳴りが周囲を震わせる 既に決着の付いた勝負だった これ以上何か起こるなど有り得ないことだった 心底の驚愕に身を震わせて――ライダーがその異変に目を見開く (な、何が起こったのです!?) 言うまでもない 何が起こったのか、何が起こっているかなど分かっている この胎内はいわば自分の体内にリンクしているようなもの だから内で起こった出来事は全て把握出来る ああ、故にこんな事はありえない!? 体を無理やり寝返らせて、衝撃の発生地点―― 凄まじい轟音のした方を見やり、、 「ぐ、う………こ、のッ―――」 彼女は尽きせぬ怒りに任せて地に爪を突き立てる 「これが狙いだ……初めからな」 うな垂れた女剣士が苛烈な笑みと共に灯す言葉の通り 将は初めから騎兵の身を穿つだけの目的で最終奥義を放ったのではない 勿論、これで敵を倒せれば越した事は無いが フェイトと五分の機動力を持つ相手に 騎士である自分が大砲を命中させるのが困難である事は承知の上だった 故に――紅の翼は、、その真の標的は―― ―― この鮮血に染まった世界そのもの ―― 血の赤で囲われた結界 自分らを閉じ込め、喰らわんとするクローズド・サークル 野卑で貪欲な胎内に今、風穴を空けるために! 穿たれた炎熱の隼が求めるはその出口――! 今、炎の矢は世界の内と外の境界に接触し―― 抜くか弾くかの鬩ぎ合いの元に火花を散らしていたのだった! 結界・バリア破壊効果を持つシグナムの矢は かつて闇の書の闇と呼ばれた最悪の怪物との戦いで 相手の複合防壁の第三層を見事ぶち破った 烈火の隼に抜けない壁は無い! 中空にたゆたう赤き天井と業火を纏う矢が激突し ギリギリギャリ、と凌ぎを削って相争う 世界が終焉を迎えたかのように悲鳴をあげていた 三者の耳の鼓膜を破るほどの歪な狂音を場に響かせていた 「無駄な事を―――私の結界を中から敗れると思っているのですか!」 だが、抜けぬ壁の無い矢を相手が提唱するのなら こちらは決して出られぬ魔境の強固さを以って相対する 自らの構築した神殿に絶対の自信を持つライダー 確かに凄まじい投擲だった 致死寸前まで痛めつけ、更に魔眼で縛ってなおこの威力 もし十全の状態で放たれていたなら正直、危なかったかも知れない 回避も間に合わず、この結界も破られていたかも知れない だが、既に瀕死の状態で放った一撃にそこまでのものが望めるはずがない 巨大な生物に丸呑みされた餌が 消化されながらその胃を胎内から突き破る事など不可能なように 外からならともかく、内側からこれを破って脱出するなど出来るわけが無いのだ 「――― そんじゃついでにコレも追加だ ―――」 「――、!!!???」 ライダーがやはり勝利は揺るがないと 改めて確信を固めたその瞬間、 シグナムとフェイトの更に後方の森の奥にて――― 「ゲイ―――ボルグ」 先のシグナムに勝るとも劣らぬ真紅の魔力が―― 赤い血の結界よりも更に紅く立ち昇った ―――――― 呼吸過多気味に肩を蠕動させて喘ぐフェイトが 過度の損傷で膝をついたまま動けないシグナムが その声に反応し―――青ざめる 自らの後方から上がったその声は今、もっとも聞きたくない者のそれ 眼前の恐ろしい敵と比べて遜色ないあの槍の魔人のものだった 振り向き、絶望に絶望を重ねた状況に歯噛みし それでも軋む体を無理やりに立たせて身構える その前に―――― 事は全てを終えていた この戦いにて三度試された呪いの魔槍の真名解放 此度はあっさりと成功する 歓喜に震える槍がようやくかと猛り狂い それは呆気なく男の手を離れ その牙を剥き出しにして飛び荒ぶ 「「!!!??」」 あまりにも不意を付かれたその状況 誰も一歩も動く事さえままならない 地面を削りながら低空飛行で 驚くフェイトとシグナムを纏めて貫く、、 、、事なく彼女達の間を瞬の域で通り過ぎ 「な、、ランサー! 貴方、―――!?」 唖然とするライダーの横をも通り過ぎ 気流に乗ったかのようにライナー気味に上昇し 先の将の矢を追うかのように同じ軌道をなぞって飛び抜ける 放たれれば必ず敵の心臓を貫き奪ってきた槍が ついにはフェイトの、シグナムの、そしてライダーの心臓をも眼中無しと通り過ぎ 此度定めた標的は、 ――― この世界の心の臓 ――― シグナムの矢と凌ぎを削り、その威力を真っ向から受け止め 弾き返さんとしていた世界の境界に――新たなる楔が叩き込まれる!! 終焉を思わせる地響きと轟音は更に苛烈さを増し 二対の閃光が怪物の胃袋を内部から突き破らんと暴れ狂い その魔力を撒き散らし、地面に降り注いでクレーターを作る! 「シ、シグナム…! 捕まってッ!」 その余波に巻き込まれては無事には済まない 力の入らない足腰を無理やりに立たせ 動けぬ将を抱き、フェイトが残った魔力を振り絞って破滅の大地を駆け抜ける 次々と降り注ぐ魔力の残滓が地に突き立ち 赤と、紅と、炎と、アカと、アカと、ホノオが乱れて狂う 「ランサーッッ!! この、何というッ――!!!!」 その滅び行く世界の中心で邪神の怨嗟の声が木霊する 神殿は彼女の住処であり、先に記した通り彼女自身の胎内でもある 故にそれを犯される苦しみは想像を絶するものだ 身を内から破られる不快感に身を捩じらせながら―― 彼女は槍兵に憎しみの声をあげる ビチリ、!と――空に亀裂が走る それは鮮血神殿の ブラッドフォート・アンドロメダの断末魔の叫び 勇者を飲み込んできた人食い結界の最後の刻が来ようとしている 上空でドリルか削岩機のように暴れ狂う矢と槍 二つの強引な力による突貫をあくまで拒み続ける境界 さりとて亀裂の入った空間にその頭部を捻じ込もうと猛り狂う暴力にいつまでも耐えられるはずもなく―― ガッシャーーーーーン、!!!という巨大な音が世界に響く――― ガラスが割れたような音諸共に………空が割れる 砕けた空間が中空に飛散して空に溶ける やがて血の赤に支配されていた空が蒼天を取り戻した時 その蒼い空を切り裂くように―― 槍と矢は、なお勢いを止めずに我先へとランデブーを敢行 雲を突き抜け、どこまでも上空へと飛び去ったのだった まるで三つの命が無事、生還を果たしたのを祝福するかのように――― ――――――
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「帰りましょう――サクラの元に。流石に疲ました…」 ともあれこの身は聖杯戦争を戦うサーヴァント。 いつまでもわけの分からない場所にいられる身ではない。 まずは主の元に戻らねば―― 散々たる有様だ。せめてこの出で立ちだけでもどうにかしないと あの優しいマスターをいたく心配させてしまう。 まあ恐らくその前に、兄の方から不甲斐無い結果を罵倒されまくるのが先だろう。 正直、余裕が無い。あのキーキー声で罵られるのは今は本気で遠慮したい。 「―――、ん……」 頭が、朦朧としている。 つくづく相当のダメージを受けてしまったのだろう。 視界の先がぼやけて蜃気楼のようになっている。 あの蜃気楼の先――あの山を越えて林道を下ったふもとにある町が深山町だ。 ライダーは――――そう信じて、疑わない―――― それはフェイトとシグナムが超えようとして超えられなかった山。 その先に世界を構築していない―――盤上の縁。 ゆらゆらと流れる蜃気楼にまるで夏の虫が飛んで火に入るように近づいていくライダー。 「―――ん、く……」 頭痛が酷い。フラッシュバックする視界。ぐらぐらと揺れる意識。 突如その身を襲う異変にこめかみを抑えて呻くライダー。 ―――エキストラは舞台裏を知る必要は無い 一幕限りの脚本を演じ切ったその後に彼らが再び出番を貰える事は無いのだ。 「ソレ」に近づくごとに彼女の体から事切れる寸前のように力が抜けていく。 だのに「ソレ」から目が離せず、破滅に向かって進んでいく身を止められない。 もはやこの世界にお前は用済みだと言うかのように ナニカ――巨大なナニカがあの奥から手招きしているかのようだった。 「これは……一体――」 手招きに抗えずに吸い込まれていくその肢体を―― ―――― 待てっっ!!! ――― 押し留めたのは人の声だった。 「駄目だ! そっちへ行くな!!サーヴァント!」 「―――――、」 遥か後方よりかけられた言葉。ライダーが振り向くよりも早く その人影は大空を滑空する百舌のように大気を切り裂き―― 「堕ち往く」筈だった騎兵の前に立ち、その前進を止めていた。 「サーヴァントライダー…」 「――――、」 その影――短い髪の、女? 「黙って私に付いて来て貰う…… お前にはもはや他に選択肢は無い。」 深く葛んだ黄金の瞳を向けながら――彼女 戦闘機人トーレはライダーの前に佇みこう言った。 ―――――― ―――まるで底の見えぬ渓谷 地獄へ通じているのでは?と感じさせる深き岸壁は 林道の山頂からふもと――最下層まで無慈悲に落ちゆく奈落であった。 二人の騎士を飲み込んだ深き深き谷の底。 その深遠の闇は躯二つが転がっている事を容易に想像させて余りある。 しかして騎士はそのような無様な結果を決して受け入れない。 彼らを死地へと誘うのは奈落ではない。 磨き抜かれた互いの刃のみである。 光差さぬ暗澹の中においてさえ、二人の騎士の戦いもまたその多聞に漏れるものではなく 倒した者と倒された者―――双方の勇姿が今はっきりとその影を写している。 そして倒した者が倒された者の胸から深々と突き立った刃――真紅の魔槍をゆっくりと引き抜いた。 「―――、」 それは持ち主の手にさしたる手応えも与えず、スルリと―― 弛緩しきった彼女の肢体から容易く引き抜かれる。 四肢をダラリと下げたその相手。 烈火の将の身体が今、死の棘の頸木から解き放たれて地面にドサリと横たわった。 「詮索の必要も無いか――」 魔人の如き太刀。竜神の如き炎を駆使する凄まじい剣士であった。 だがしかし、その光を失った瞳にもはや倒すべき敵が映る事は無い。 その口が再び不敵な言葉を紡ぐ事も無いのだ。 そう、詮索の必要は無い―― その相手に――彼女に―― ――― 心臓が、なかった ――― などという事実を今更詮索して何になる? 槍は確かに心の臓に「近しき」何かに反応し、切っ先は確実にそれを打ち抜いた。 だがどうやらそれはこちらの錯覚か、それとも相手の擬態か。 ともあれ流石の槍とて無いものは穿てない。 狂犬の刃は見事、相手の急所に食いついたはいいが――結果として呪いは不発に終わったと言えよう。 だがゲイボルクの必殺は呪いを退けたくらいでは終わらない。 この槍は体内に突き入れられたが最後、穂先から放たれる棘が内部から全身を貫き 相手の生命力を確実に上回るダメージを与える。 ――― 殺しに特化した宝具 ――― サーヴァントですら恐れる一対一では無敵と称される冥府より齎された槍。 その魔手から命を拾う術は――やはり無いのだ。 「お前の事は忘れねえよ――」 それは短いながらも賞賛と敬意を存分に示した言葉だった。 戦士にとって心を通わせた強敵を屠るという事は恋人との死別に同義する。 命を賭けて殺し(あいし)合った物言わぬ躯。 それが勝者に与えるのはもはや哀愁以外には無いだろう。 力なく横たわる女剣士の横にその身を投げ出している白銀のデバイス。 男はそれに無言で目を向ける。 、――――、 散々、自分を痛めつけ、焼き、窮地に陥れた炎の剣。 持ち主の手を離れて地に晒されている魔剣レヴァンティン。 その地に打ち捨てられるにはあまりに惜しい名剣の柄を男は無造作に握ると 仰向けに寝かされている騎士の前に突きたてる。 それは戦士の葬いだ。 どこまでも誇り高く、死ぬまで戦い抜いた証として―― 己が命の尽きる時まで握り続けた剣こそ、彼女にとってこの上ない墓標となろう。 踵を返すランサー。 炭化した足で一体どうやって立っているのか余人に知る由も無い。 だが短い弔辞を唱えたならば、勝者はすぐに敗者の躯から離れるべきだ。 それが勝利を収め、敵の命を奪い、生き残った者の戦士としての礼儀であろうから―― それに――― 「………何だてめえは?」 その背後―― 岩陰からこちらを見据えて佇む視線に既に男は次なる戦意を向けていた。 その気配は人間のそれとはナニかが違っていた。 元より自分に気づかせずにここまで背後に接近を許したのだ。只者ではない。 男とて馬鹿ではない。 この戦いがもはや聖杯戦争とは違う、何か一線を隔す物だと薄々は感づいている。 そして現れた、影でコソコソと隠れて様子を伺っている輩。 この者が事情を知る者である可能性――決して低くはない。 「人の正面に立てぬ以上、俺に仇為す者と見なすぜ。 出て来ねえなら問答無用で討ち抜かれると知れ――不埒者!」 先の戦が良い戦いであった事は紛れも無い事実。 だがここに来て男は少々、気が立っていた。 己が意識もまばらな状態の戦で女を討ったという事実。 それは今更ながらに気分の良い物ではない。 何らかの企みの手によるものであるのなら、その首謀者を即刻引きずり出し 洗いざらい吐かせたい衝動に染まっていたとしても不思議ではないだろう。 やがて身を潜ませていた影もこれ以上の隠形を無駄と悟ったのか 決して相手の敵意を刺激しないようにその姿を現した。 「―――女かよ…」 またか、と――槍の穂先を向けながら顔をしかめる槍兵。 「敵意はありません。槍を下ろして下さい。 どの道、貴方は今私と戦える状態に無い。」 「一人殺るのも二人殺るのも――ってのはいい加減勘弁して欲しいが… 取りあえず戦れるか戦れないか……試してみるか?」 男の前に現れたのは薄い紫の長髪の女。 特に感情を点さぬ表情の希薄な長身の女性であった。 「戦う気は無いと申しました。 ともあれお手並み拝見……見事です。 サーヴァントランサー、私と共に来て頂きたい。」 深々と会釈をする、表情に何ら感情を乗せない女。 群青のボディスーツに身を包んだ戦闘機人の七女セッテが―― 「貴方の知りたい事に答えましょう。 貴方の主も我々の元にいる。」 向けられた槍を意にも介さずに――男にそう言った。 ―――――― (………う、動かない…ッ!) ――― 動かない ――― ――― 動かない ――― 指の一本までその身体に動力が戻らない。 それは巨大な岩を背に背負わされたかのよう。 重くなった体を引き摺りながらフェイトは 先の戦いに匹敵するほどの苦難の行脚を強いられる事になった。 当然だ。魔力エンプティとはそういうものなのだ。 魔導士が最大のリスクとして常に頭に入れておかねばならないタブー。 それを犯した体が今やまともに機能するはずがなかった。 「はぁ、……はぁ、……はぁ、」 不規則に紡がれる呼吸を喉から漏らしながら懸命にその体を押していく魔導士。 だが自身の燃料を使い果たした身体はガソリンの入らない自動車と同じ。 動く道理などあるわけが無い。 この場で眠ってしまいたい―― 気絶を受け入れればどんなにラクだろう―― そんな弱い心に押し潰されそうになる事もはや数十回を超え、 その度に重い瞼を開けて自身の体に爪を突き立て、意識を残す。 「バルディッシュ……」 ............ 「………やって……お願い」 .........Yes sir デバイスに何事かを呟く執務官。 瞬間、バシュン!!!!!!!―――という何かが破裂したような音が無音の大地に木霊する。 「………、ッ!!!」 痙攣するようにニ、三度跳ね上がるフェイトの肉体。 全身の神経に電気を流して無理やり活を入れたのだ。 ショックで極限まで見開かれた目が、口が再び強い意志を灯して前方を見据え―― 魔導士は黒杖を支えにその場に立ち上がる。 ガソリンの無い車だからと立ち往生して、助けが来るのを待っていられる身ではない。 エンジンがかからないのなら―――手で押していくしかないのだ。 ゆっくりと身体を起こして歩を進ませるフェイト。 たたらを踏みながら一歩、転んで、這って、また一歩。 動かぬ四肢を無理やり動かすたびに神経が焼ききれそうになる。 拒絶反応を起こし、喉の奥から競り上がってくる何かを必死に堪え 動くなと警鐘を鳴らし続ける脳の司令を無視して彼女は一歩、一歩、進んでいく。 「はぁ、……はぁ、……はぁ、……」 視点の定まっていない目を前方へ向けて彼女は進む。 やがて眼前についに目的地である崖の姿を見据え―― シグナムと槍の男がもつれ合って転落して行った奈落へと辿り着くフェイト。 .........!! それは一瞬の出来事だった。 寡黙なデバイスが思わず息を呑む(?)のも無視して 闇に続くほぼ直角の傾斜を彼女は躊躇いなく滑り降りる。 ―――いや、既に思慮の至らない無意識の行動であったのか 自在に重力を制御し大空を飛び回る空戦魔導士。 エレベーターのシャフトすら無傷で滑り降りる事など朝飯前の彼女であったが 今のフェイトの有様は、それは滑り降りるというより――転がり落ちるといった方が正しかった。 デバイスが必死に彼女を守る。逐電した予備魔力を呼応させ、せめて主の転落死を防ごうと四苦八苦。 朦朧とした意識の中で、身を丸まらせて傾斜を転がっていくその身体。 突起に必死に爪を立てて――人差し指と中指の爪がはがれた――底へ底へとその身を誘わせるフェイト。 一心不乱――とはよく言ったものだ。 その果てに希望が待っていると信じて その先に助けを求めている仲間がいると信じて その果てに―― 「…………………」 絶望が待っている事を――敢えて考えずに……… 彼女は――辿り着いた。 「………………」 かけがえのない戦友の―― その変わり果てた姿の前に 「………………」 左の胸に大きな穴を明けられ 眠るように息を引き取る彼女の前に――辿り着いてしまったのだ。 「……………ぁ、」 もはや吐息とも取れない声を一言上げたのみだった。 それだけで、気力のみで支えていた体から何か決定的な力が抜けていく。 本当に、身体の芯に眠る全てを使い果たし 呆然とその場で膝をつき――脱力するようにフェイトはうつ伏せに倒れ付す。 放心状態で体力の限界で次の言葉すら出てこない。 倒れ付しながら仰向けに寝かされた彼女の―― 烈火の将の遺体の身体の上で組まれた手に、フェイトは自らの手を伸ばす。 ――― 冷たい ――― ぶるぶると振るえる手の平が騎士の手の甲を握った 朦朧とした意識が最初に思った感想が――それ… 確かめるまでもない。 亡骸の前に突き立てられた彼女の愛剣レヴァンティンが もうこの女剣士が、自らを振るう事などないのだと如実に物語っていた。 一縷の望みに全てを託し、辿り着いたのは――最悪の結果 騎兵の言葉を受け、覚悟だけは持っていた。 だがそれでも放心したフェイトの瞳に その心に今更、くべる火などどこにもありはしない。 やがて寒風吹き荒ぶ奈落の底―― 「…………ぅ、、ぅ…」 誰もいない、何もない光すら差さぬ地に残された二人―― 否、一人……手と手のみを繋いだままに―― フェイトは頬を泥に塗れさせたまま 肩を震わせて、泣いた――― 「………ぅぅ、、ぁ…」 しゃくり上げ、顔をくしゃくしゃにして 声も出さずに何時までも何時までも―― その声の無い慟哭が光挿さぬ渓谷にいつまでも、いつまでも木霊するのであった。 ―――――― ―――そうしてどのくらいの時が立ったのか やがて涙さえも刈れ果てて―― フェイトの肢体からも徐々に体温が失われていく。 「……………」 カラカラに乾いた唇が何かを紡ごうと動くが、それが音になる事はもはやない。 フェイトテスタロッサハラオウンにとって友達とは、仲間とは世界そのものだ。 その一角が崩れて無くなった喪失感。よもやこれほどのものだとは本人すら思っていなかっただろう。 ――― このまま死ぬのかな ――― ぼんやりと、そんな事さえ思ってしまう。 涙で真っ赤に腫らした目尻を拭う事すら出来ない。 自分の体をぼんやりと見下ろす魔導士。 どうしても再び立ち上がる活力が沸いて来ない。 故にゆっくりと、疲労に任せてその瞳を―――閉じるフェイト。 (少しだけ……眠ろう。) 悲しみと絶望に暮れた心身はもはや限界を超えていた。 このまま気を失えば本当に終わりかも知れない。 だけどもう意識を繋ぎ止めておける原動力が無い。 そして瀕死の体に気力が途絶えれば――人は簡単にその呼吸を止めてしまうのだ。 ―――眠ろう… 涙に染まった相貌がゆっくりと閉じ 戦友の亡骸に覆い被さるように――肉体が弛緩していく。 ――― …………………… ごつんッ 「ッ……」 突然、衝撃にピクン、と――彼女の意識は強制覚醒させられた。 後頭部を襲った突然の痛み。 魔導士の閉じた眼がうっすらと開く。 緩慢に沈みかけた心身に静電気程度の動力が蘇る。 ――― おきろ馬鹿……重い ――― だが、その次の瞬間……! 聞き違いようの無い声が――― フェイトの耳の奥にまで浸透した時―― ――― 隊長、福隊長が揃ってこれでは…… ――― 「………………………ぇ、?」 半開きになった魔導士の口から再び声が漏れ出る。 夢うつつの事かも知れないと――― 恐れ、何度も何度も幻聴を疑い―― 頬をずらして声のした方を見ずに、彼女は震える唇でその名を呼ぼうとした。 でも言葉が出てこない。 恐くて、恐ろしくて―― これが夢幻ならば、もしそうならば 自分の抱いたこの希望を呪わずにはいられない。 だからその手を握る。 絡んだ手をぎゅっと、力いっぱい握る。 再び蘇った微かな希望を掴むために――― するとそれは弱々しくも確かに――呼応するようにフェイトの手を握り返してきたのだ。 「これでは……エリオやキャロに示しがつかんだろう……」 続いて聞こえる声を受けた時―― それがはっきりと鼓膜を揺らした時―― 「…………………ああ、…ッ!」 フェイトの感情は―――弾け、制御不能になった。 咽ぶ声が言葉にならない。 だというのにその名を叫びたくて―― パクパクと口を開く様が金魚のように滑稽で―― もはや溢れ出す感情を抑えられずに魔導士は再び、下を向いて肩を嗚咽に震わせる。 「泣くな……馬鹿。」 「シ……シ、グナムっっ!!」 再び顔を上げ、今度こそ彼女の―― かけがえのない戦友の名前を呼ぶ事ができたフェイト。 涙で霞んだ視界の先には将の厳しくも優しいあの笑みが―― 「シグナムぅっ!!!」 嗚咽が止まらない。 しゃくり上げる姿はもう子供のようで―― 恥も外聞も今の彼女の喜びを阻害する権利は無い。 絶望に染まった涙を拭い去る新たな落涙が フェイトのくしゃくしゃに歪んだ歓喜の表情から止め処なく溢れ出すのであった。 ―――――― それは網の目のように複雑に、幾重にも張られた死の檻を掻い潜る――そんな生還であったのだろう。 必ず心臓を貫く槍はシグナムの左胸、人体における心臓を確かに貫いた。 しかし彼女は厳密な意味での内蔵や骨子を持たぬ「プログラム」 故に第一の絶命・破壊される心臓がそもそもなかったのである。 しかし槍が心臓の代わりに彼女の内に狙ったもの。 ランサーに「確かに打ち抜いた」と錯覚させたものは――シグナムのリンカーコア。 彼女が魔力によって生成された魔導プログラムであるのならコアを破壊されてしまえばひとたまりも無い。 その身はやはり消失せざるを得なかったはずだ。 だが闇の書が消滅し、夜天の主から切り離された事により 彼女らヴォルケンリッターは現在、人の肉を得るに至っていた。 故に「魔力コアの消失が即ち本体の消滅」という魔導生命体の頸木から逃れ、 謂わばヒトの肉体を持ったが故にシグナムは自身を現世に繋ぎ止める事が出来たのだ。 そして死神の槍の最後の魔手――「死棘」と呼ばれる内部破壊。 それは対象の生命力を残らず奪い去る効能と それに槍の殺傷力を足したダメージを相手に与える恐ろしいものだ。 即ち発動=絶死のニ重苦の最後の関門である。 だが今の烈火の将には奇しくも内にもう一つの命が宿っていた。 ―――融合デバイス・剣精アギト この魔導デバイスと命を同じくしたユニゾンによって 彼女は一なる命の頸木からも外れ、槍の棘による殺傷は分散。 一人を確実に殺す槍も二人分の命を吹き消すには至らなかったのである。 奇跡――知る人が知ればまさに奇跡と呼ばずにはいられない生還劇。 二人があの恐るべき槍の仔細を知るに至り その胸に打ち込まれた宝具の恐ろしさに身震いする事になるのは大分、先の事である。 「バルディッシュ!」 ...in danger sir 「いいから…! あとありったけの回復とカンフルを…」 仲間の生存を確認したのだ。 よもやここで倒れてなどいられない。もう一踏ん張りの辛抱だ。 再びその体に電気ショックとありったけの気付けを処そうとするフェイトをシグナムが止める。 「おい……無理はするな。 ここまで来て死なれては適わんぞ。」 顔をしかめ、満身創痍をおして立ち上がろうとするフェイトを苦笑交じりに見つめる将。 だが彼女にとって傷の痛みなど先の絶望の心の痛みに比べれば何でもない。 まだ少し目に滲む涙をゴシゴシと拭い去り、フェイトは将に肩を貸して担ぎ上げる。 人間の身体とは現金なものだ。 病は気からとよく言うが、どん底にたゆたうような現実が期せずして見せてくれた希望は 千年の病を患う者でさえ踊り出す特効薬に他ならない。 「敵がまだいるかも知れない……早く安全な所へ身を隠しましょう。」 「私はいい。それよりもアギトを…」 懸命にその身を起こそうともがくフェイトを見上げて騎士は一言、静かにそう紡ぐ。 すると弱々しい薄紅の魔力光がシグナムの全身を覆い尽くす。 光は散桜のように飛散。そして胸の上に――傷つき眠る妖精の少女が現れた。 騎士のユニゾンが解けたのだ。 少女の姿は主と同じく凄惨な傷に覆われており 四対の羽が、子供の戯れに引き千切られたトンボのようにズタボロになっている。 痛々しいなんてものじゃない――絶命の危機が去ったと安堵するのはまだ早すぎる。 フェイトもシグナムも、そしてアギトも、早くしかるべき所に移送し処置を施さねばならない事は明らかだ。 こうなると麓まで転がり落ちたのが幸いだった。 こんな身体でせこせこと山を越えるなど出来るはずが無い。 「恐らく岸壁に沿って歩けばふもとの宿につける筈です。」 「無人なのが幸いだったな……ありがたく使わせてもらおう。」 歩き始める二人。 かくして――― ライトニングの二人の山越えから始まった長い、長い一つの戦いが幕を閉じ 登った峠を満身創痍で再び降りる事となったフェイトとシグナム。 それは期せずして決して鳥篭から逃がさないと断ずる 何か巨大な壁に跳ね返されたような錯覚すら二人に感じさせる。 恐ろしい敵との邂逅。スカリエッティの動向。仲間の安否。 そのどれをも確かめる事叶わずに―― おぼつかない足取りで肩を抱き合いながら歩く魔導士と騎士。 二人は暗雲に覆われし渓谷をもう一度振り返り―――その場を後にする。 その不吉な空が占う二人の運命は――未だ、光を示す事は無かった。 ―――――― ライトニングとサーヴァントの初の邂逅から―――はや二週間が過ぎた。 もっとも日が沈んで再び昇る――それがこの世界でも一日と過程出来るならの話だが。 ともあれそれを14回繰り返した頃、ようやくフェイトは力を取り戻しつつあった。 初めは果物すら満足に取れないほどに減退した身体能力も大半が戻り 肉体の過剰運用の代償である筋肉の蠕動、手足の震えもほぼ無くなった。 オーバードライブにも色々種類がある。 もしなのはのブラスターのような、自身の魔力炉を一点集中させて 体内のコアを異常圧縮させて魔力を叩き出すような真似をすれば恐らくこの程度では済まなかっただろう。 下手をしたら自身の魔導士生命を一瞬で奪い去ってしまう――自己ブーストとはそういう類の技だ。 対してフェイトの真ソニックは制御こそ他の追随を許さぬほどの難易度を誇り 失敗すればその稲妻で己を焼く諸刃の剣ではあるが、制御をミスらない限りはなのはほどの負担を負う事は無い。 二つ以上の高炉の同時展開。それが期せずして身体の負担を分散させているのだ。 リンカーコアの異常加熱によるオーバーヒート。総魔力の減少などの後遺症に悩まされない―― それは彼女にとって大きな強みだった 「………」 対してシグナムは――あれから目を覚まさない。 彼女はこのホテルにやっとの思いで付いた瞬間、事切れたように気を失ってしまった。 そのダメージは本来ならばあの地で意識を取り戻せるようなレベルのものではなかったのだ。 だというのに、彼女はせめてフェイトの足手纏いにはなるまいとコワれたソフトを強制起動させた。 誇り高い騎士である彼女らしいと言うしかない。 正体不明の切り札を身に受けたシグナムとアギトの傷は遅々として塞がらない。 本来ならばとっくに治っても良い筈の傷からさえ未だに血が滲んでくる始末―― 故に戻ってきた箱庭の町にてパートナーの回復もままならないままにフェイトは立ち往生を余儀なくされていた。 出来るだけ高級なホテルに居を移し(無断で拝借し)騎士の看病をする日が続いた。 リネンを使い放題なのが助かる。タオルや包帯などはいくらあっても足りないのだ。 定期的に荒い息を繰り返し、その身を横たえる烈火の将に全盛の力強さは微塵も無い。 魔導士もあの戦いで限界を超えたが、しかしこの騎士は更に二段、三段とそのリミットを跨ぎ越していたに違いない。 当然、今はとてもじゃないが戦える状態ではなかった。 「僥倖……だったのかな…?」 しかし、そう。それは想像できないほどの幸運。 何故なら―――半ば覚悟はしていたのだ。 ここに到着し……いや、到着するまでの間でもいい。 間違いなく敵の第二波に襲われると思っていたのだから。 あの謎の怪人の襲撃が言わずもがなスカリエッティの手によるものだとしたら見ての通り、効果的面。 あの一戦で自分らは甚大なダメージを被った。 初手としてはこれ以上無い戦果を上げさせられた事は疑うべくも無い。 これで第二派に詰められたら、もはやお手上げ―― 戦う術は無く、流石のフェイトも敵の刃にかからざるを得なかっただろう。 いや、酔狂なスカリエッティの事……もしかしたら殺さずにこちらを捕らえてくるかも知れない。 そうなれば虜囚の辱めを受けるだけでなく、あの狂った科学者の事だ。 考えるのもおぞましい仕打ちをこの身に強要してくる事も容易に想像できた。 そして場合によっては自分は――それを甘んじて受けるつもりだったのだ。 ただし動けぬシグナムの命を保証する代わりに、だが。 執務官の経験で培った交渉術をフル活用し、どんなに最悪の状況となっても 常に一縷の望みを残せるように状況を組み立てていくつもりだった。 ―――と、そこまでの悲壮な覚悟の元にシミュレーションを立てていただけに…… ここまで敵の襲撃も何事もなく無事でいられた事に些か拍子抜けせざるを得ないフェイトである。 「………」 ―――分からない。 ―――つくづく敵の狙いは何だったのか…? ―――あの襲撃の意図するものは…? ―――戦闘機人を遥かに超える、あの凄まじい強さを持った敵の正体は…? 「そろそろ動かないと…」 シグナムの看病の片手間でも良い。 そろそろ自分なりに捜査を進めていかないと――何か……嫌な予感がする。 そう思い立った彼女が席を立とうとした時―― 「!!? ………何?」 テーブルがコトコトと音を立てて揺れているのを彼女は感知。 (……地震?) 身構えるフェイト。 その揺れは大地の断層同士が擦れ合って生ずる地殻変動に酷似したものなれど彼女は些かも気を緩めない。 この無と化した世界。自分とシグナムしかその影を造らない世界にて ここでどんな事が起ころうと決して不思議ではないからだ。 やがて―― (………違う……これは?) ヴヴヴ、――と、 大気を震わす歪な振動をその肌に感じ取り、棚に置かれた缶詰や食器が軒並み地面に落ちる。 この揺れは明らかに地震のそれとは何かが違う…? これはまるで――そう、フェイトはこの揺れに覚えがあった。 「バルディッシュ……」 ――― 次元振 ――― そうだ。あの次元と次元の狭間が擦れ合う事によって生じる世界の軋み―― 管理局が定めた次元災害の中でも最悪レベルの大破壊・次元断層をもたらす、その前触れである揺れ。 フェイトの背筋を冷たい汗が流れ落ちていく。 シグナムは今だ意識不明。そんな彼女を一人にするのは避けたい。 こんな状態の彼女がもし敵に襲われたら、当然一たまりも無いからだ。 しかしもし次元断層が実際に起こるような事があれば――事はそんなレベルですらなくなる。 自分やシグナムがどうとか言う以前に恐らくは地球を含めたこの次元そのものが壊滅的な被害を受ける。 当然、捨て置ける筈がない。 「すぐ戻ります…! どうか…」 今だ己に刻まれた傷と戦っている騎士に謝罪しつつ、意を決したフェイトが部屋を飛び出る。 時刻は――夜半 夕闇の帳が下りるビル街は本来ならば不夜城の如く24時間、人がごった返しているのだろう。 だがこの街は人はおろかネズミ一匹もいはしない。 疾走するフェイトの影のみが夜のネオンを遮って奔る。 「どこだ……揺れの元は…?」 飛翔するその身体があっという間に付近で一番高い20階相当のビルの屋上に舞い上がり すぐさま彼女は魔力サーチを含めた広域探索を開始。 どんな時空の歪みも決して見逃さない。 そんな意思の元に周囲360度に視界を巡らせた。 「………………」 そして、フェイトは―――― 「あれ、は…………」 ――――――――――見た。 まずは恐らく揺れの元。空間を裂いたような――― それはアルカンシェル――管理局の巡洋艦クラス以上に搭載される最強の殲滅兵器。 それが地表に打ち込まれたような現象が目視数km先で起こっているのを確認。 数Kmは離れているにも関わらず余波がこちらに届いている。 この身を飛ばそうと吹き荒んでいるのか深遠に引き寄せているのかすら分からない。 体を締め付けるような歪な力場にフェイトは身を屈ませる。 ―― 視線はその一点から、離さずに ―― 空間を引き裂くような現象はまるで空に地割れを作ったかのような威容を見せていた。 かなり広域に影響を与えているかのような断層。 あの地で一体何が――? 何が起こり、そしてナニが棲んでいるのか余人には想像も出来ない光景だ。 「……………」 しかしてフェイトはその一点から目を離さない――― 否―――ハ・ナ・セ・ナ・イ その凄まじい時空の歪みに―――いや、いや違う。 そんなものじゃない。 彼女が先ほどから瞬きすら忘れて 目を見開いて見ているものは、そんな―― ――― どうでも良いものではなかった ――― 「………………う、そ…」 カランと手に持ったデバイスを取り落とす。 その目に映っていたもの―― フェイトの思考を余さず占めて占領してしまったもの。 それは、なつかしき…… 「時の……庭園…」 彼女の生まれ育った巨大な移動要塞であった。